本書は、古今東西の蛇信仰を深く掘り下げた興味深い一冊です。
蛇が単なる生物ではなく、人類の歴史の中でどのように捉えられ、信仰の対象となってきたのか、民俗学的な視点から多角的に分析されています。
生命の再生、知恵、死、悪といった対極的な意味を同時に内包し、文化によってその解釈が大きく異なる点が興味深かったです。
また、蛇信仰が人間の自然観や世界観と深く結びついていること、そしてそれが現代社会においても様々な形で影響を与えていることを知りました。
蛇に関心のある方だけでなく、文化人類学に興味のある方にもおすすめです。