この物語は、父親を刺殺したとして逮捕された女子大生その裏にある「家庭の闇」「心の傷」を、一人の臨床心理士が丁寧に掘り下げていくミステリー兼ヒューマンドラマでした。 
読んでいて胸が苦しくなるような重さはありますが、そのぶん「なぜ彼女はあの選択をしたのか」「愛情や家族のあり方、人の心の闇と光」に深く考えさせられました。 
構成は巧みで、読後には“ただの事件小説”ではなく、「人間の痛み」と「再生の可能性」が胸に残るような作品だと感じます。被害者・加害者という枠を超えて「人」の内面と向き合いたい方に、おすすめしたいです。


















