読み始め、さっぱり世界に入り込めなくて読むのをやめようと思うほどだったのに、いつの間にかトイレに行くのも忘れるくらい熱中していました。
女に嫌われる女。
自分の過去にとらわれている女。
友達がずっといなかった女。
女が抱える闇のようなものをずかずかと見せつけられるようで、恐ろしかった一面、
主人公とその親友が「ある女」を通して成長していこうとする姿に心強さも感じました。
週刊誌の記者と被告人という不思議な関係性が舞台のこのお話。
きっと、「バター」というタイトルからは想像できない話の展開に、バター醤油ごはんのことも忘れてしまうのではないでしょうか。(←読んだ人にしかわからないフレーズですね)
パンチを数発喰らったような感覚になりました。
強い女の像を見せられる作品です。
"わからなかった"と言うのが、正直な感想だ。
疑問や怒りや悲しみなどという感情が湧いてくる、というわけでもなかった。
なんとか頑張って、読み終わった。
文庫本で600ページ近くの本を読んだという達成感は、すごかった。
なんだろう…多分、"私はこれが気味悪いと思う"、"私はこれが異常だと思う"、そんな自分の感覚と、この物語の人物とのそういう感覚が、ズレていたから、"よくわからなかった"という感想になったのだと思う。
"この人は何かが違う"と世間や町田に思わせたカジマナという人物は、結局、世間の欲望に飲まれただけの、"特別を演じていた人だった"ということなのだろうか…。
最近、「渇愛」という、頂き女子りりちゃんを取材した方の、ノンフィクション小説を読んでいるが、なんだかあの、崇拝的な現象と、似たようなものを感じた。
この似たようなものが何なのかは、まだ、わかっていない。















