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コミュニティハウスの図書室で司書をしている小町さゆりさん。彼女から勧められた一冊の本と、付録の羊毛フェルトが、悩みを抱えた5人の人生を少しずつ動かしていきます。
たまたま内定をもらった総合スーパーの婦人服売り場で働く朋香、いつかアンティークショップを持つことを夢見る会社員の諒、出産を機に編集部から資料室に配置換えされた夏美、イラストレーターの夢が叶わずニート生活を送る浩弥、そして定年退職して趣味を見つけられない正雄。
それぞれが人生の岐路に立たされていますが、共通しているのは、自分の居場所に迷っていることです。そんな彼らが、本と羊毛フェルトを通して、自分にとっての「好き」や「ワクワク」を見つけていきます。
特に、最後の正雄のうたには胸を打たれました。趣味は、上手い下手や、それがお金になるかどうかではなく、心から楽しめるかどうかが大切なんだと教えてくれます。人生を豊かにしてくれるのは、そんな純粋な気持ちなのだと改めて感じました。