1巻では主人公のパン職人紗良や彼女を取り巻くキャラクターたちの過去が浮き彫りになっていました。
各キャラクターたちの心の奥底に触れ心を掴まれていたので、今回もそのようなストーリーかと思っていたら……
まさかのホテルに宿泊されるお客様の1人でもある小説家がターゲット。
どうやら小説を書くためにこのホテルに宿泊しているようです。
このホテルに似つかわしくないだらしのない身だしなみで、紗良に「今後はパンを出すな」と言い出す始末。
思わずその言動に顔をしかめてしまいますが、実はその態度には理由があって。
積み重ねてきた思い出が消えることなく、より大切になっていく様子に涙がじんわりしてきます。
そして真相にたどり着いたときには、この作品がもつ心地よい温かさにそっと身をゆだねていました。
次の章ではお待ちかねのベルスタッフの小夏がメインのお話でした。
小夏が1巻で登場したとき印象に残る言葉を放っていたので、気になる存在になっていたのですが、
今回はその核心に触れ、彼女の大胆な思想が形成された経緯が明らかに。
思わぬ事実にハッと息を飲んでしまいます!
また、あるキャラクターとの関係性が見えてきて、こういう繋がりがあったんだと物語を読む目も変わってきます。
初めは気づかなかったのですが、読み返すと各章のはじまりにはそのチャプターでメインとなるパンが描かれています。
このイラストを想像しながら読めば、より深くこの作品を味わえそうです。
各エピソードの終わりには、ホテルクラシカルの看板猫・マダム視点のTea Timeが登場します。
登場人物それぞれの知られざる素顔が垣間見えて、この作品がより面白くなること間違いなしです。
是非一度ご覧ください。