表紙に一目惚れ。儚げな印象の、ケモ耳の子が印象に残りました。
獣と人間の特徴をあわせ持つ『亜人』
優れた身体能力を持っていますが、人間から差別を受ける存在で、奴隷同然の扱いをされています。
主人公・藍月も幼い頃から酷い目に遭ってきました。
この藍月という名前。これは、皇宮内で無惨に殺害されてしまった主人公の弟の名前を借りたもの。
藍月は、弟の仇を取るために武人となって皇宮に参内します。
中世的な見た目で美しい麗人の藍月ですが、ふとした瞬間が可愛らしい少女です。
自分は殺されても構わないと腹をくくり、仇を打とうとする姿に切なくなってしまうでしょう。
敵しかいない状況の中、藍月が付き従う従獣になったのは第4皇子・天耀。
美しく、いつも藍月に優しい天耀は、自分の力が及ばず藍月の弟が殺されたことにずっと心を痛めていました。
天耀はいい人ではありますが、藍月が徐々に懐いていく姿を見ていると、そんなに信頼して大丈夫? とハラハラします。
天耀が言っていることは本当なのか?
怪しい他の皇子と従獣たちとの関わりが増えていくに従って、いつか藍月が女だとバレるのではないかとヒヤヒヤします。
ケモ耳や美しい麗人に目がない方にかなりおすすめ!
藍月の地獄がすこしでも明るく平和になるように…と1巻から願ってしまう作品です。