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婚活詐欺事件の容疑者・梶井真奈子に取材する記者・町田里佳。美しくもない彼女がなぜ男たちを虜にしたのか——その謎を追ううちに、里佳自身の価値観が揺らぎ始める。
物語は「食」と「女性性」を軸に、欲望・信頼・社会規範を濃密に描く。バターや料理の描写は五感を刺激し、読者の中に眠る“自分の適量”を問いかけてくる。
この気づきが、読後に静かに残る。600ページの長編ながら、濃厚でとろけるような読書体験が味わえる一冊。
















