2024年に読んだ本の中でもかなり好きな部類でした。
生前犯した罪により、輪廻のサイクルからはずされた魂が、自殺を図った中学三年生の少年【小林真】の体にホームステイするところから物語が始まります。
早い段階で、展開は予測出来てしまいましたが、
重いテーマになりがちな「自殺」を爽やかに
描いている作品だなと感じました。
学生の皆さんにぜひ読んでほしい作品だなと思いました。
ぼくは死んだらしい。でも、自分が誰なのか記憶がない。目の前に「天使」が現れ、こんな趣旨のことを言う。「あなたは大きなあやまちを犯して死んだが、再挑戦のチャンスを与えられます。ちょうど今、小林真(こばやしまこと)という少年が自殺したばかり。あなたは真の体を借りてよみがえり、真としての人生を一定期間送ってもらう。その間に修行が順調にすすめば、罪が許される」と。
病院で目覚めたぼくを見て、家族は大喜び。だが、しばらくすると真が自殺した理由が分かってきた。真は暗い少年だったらしい。兄がいじめてくるし、母は不倫中。父にも問題があった。さらには片思い中の少女・ひろかが中年のオヤジとホテルに消えるのを見たショック。だが、ぼくは真ではないので、教室で元気にふるまう。どよめくクラスメイト。なかでも、唱子という背丈のちっこい女の子が真の変化に鋭く反応してきた。じつは、真自身は気づいていなかったが、唱子は真のことを大切に思ってくれていたのだ。ただし、ぼくは真ではない。
こんな設定の物語です。
すごく読みやすいけど内容は深い。
物事に悩んでいる人にぜひお勧めしたい本です。
生前大きな罪をおかし、死んだ魂が抽選に当たり、再度現世に蘇ることで、罪を洗い流し新しい魂として輪廻のサイクルに戻ろうとするお話。
最後の展開はなんとなく途中から予想がつきましたが、それでも命の尊さを感じました。