事故により閉じ込め症候群(ロックドインシンドローム)となった女性、岸部愛華は話すことはおろか、指一本動かせない状態で入院生活を送っていた。産婦人科医の水瀬真理亜はそんな愛華が妊娠していること気づく。寝たきりの愛華を誰が妊娠させたのか、病院は騒然となる。
妊娠させた人物は物語の中盤であっさり判明するが、物語はここからさらに動き出す。
何としても中絶させようとする愛華の両親。医師として患者の意思を第一と考える水瀬。彼女は愛華とまばたきで意思の疎通を図ろうとする。
身動きもできない親が子供を産んで育てられるのか?
子供の幸せを誰に決める権利があるのか?
そもそも胎児の命は誰のものなのか?
答えの出ない問題を考えさせられる一冊です。