【ハゲだけでいいんだ、じゃないと平等じゃない】
中高生上は髪の毛が抜け落ちハゲが標準となった世界を舞台に、繰り広げられる人間模様と複雑な心理描写を描いた作品。外見コンプレックスへの葛藤、怪しい民間療法に傾倒していく心理、自分だけが髪が生えてきてしまうことに対する優越感とどこか釈然としない気持ちがひしひしと読み手に伝わってくる。結局、どんな世界になろうと「みんなと同じが安心」が大前提としてあり、差別や偏見はなくならないんだなぁ。高瀬さんは相変わらず主人公でも脇役でも女性の嫌な部分を描くのが上手だと思う。