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死刑は廃止されたという建前だが、失業しただけで追放という架空の日本が描かれる。追放先は、壁で囲まれた地帯である。大阪の流刑地に入れられた主人公は、そこが食べ物もない、雑草と野犬しかいない場所であることを知る。壁に近づけば自動砲塔から銃撃されるため脱出は不可能。どうするのか。
終戦直後の大阪で、鉄を食べる人間が出現した。名は「アパッチ」。一日に平均六キロの鉄と〇・二〜〇・六リットルのガソリンを摂取し、その肉体の強靭さとスピードは、人類をはるかに凌駕する。彼らはやがて全国へと拡がり、日本の政治、生産機構までも揺さぶるようになっていった…。小松左京の処女長篇にして、SFの枠を超えた永遠の名作が、ここに復活。
死刑は廃止されたという建前だが、失業しただけで追放という架空の日本が描かれる。追放先は、壁で囲まれた地帯である。大阪の流刑地に入れられた主人公は、そこが食べ物もない、雑草と野犬しかいない場所であることを知る。壁に近づけば自動砲塔から銃撃されるため脱出は不可能。どうするのか。