広橋家文書を中心に、公家の生活様式や社会的役割、家族構成などを掘り下げ、当時の文化や社会システムに迫ります。文書を通して見る中世公家の仕事や日常は、予想以上に多様で複雑であることがわかり、特に公家がどのようにして政治や宗教、経済活動に関わっていたかを知ることができました。広橋家文書という一つの資料群に焦点を当てることで、当時の公家社会をより立体的に理解でき、歴史に対する視点が深まったように感じました。
中世を通し天皇や将軍の政を補佐した公家の一つ、広橋家。彼らが残した日記などの多様な史料から、知られざる公家の日常を垣間見る。
本書の主な目次
第1章 中世の公家社会と広橋家
第1節 中世公家を見つめる眼差しの転換ー広橋家とその史料からー(家永遵嗣)
第2節 広橋家領の推移(廣田浩治)
コラム1 「広橋家旧蔵記録文書典籍類」の形成(田中大喜)
第2章 鎌倉時代の広橋家
第1節 朝廷・摂関家の政務を支えるイエとして興った広橋家(家永遵嗣)
第2節 鎌倉時代の広橋家当主の日記
1 『経光卿記』と日記の書き方(尾上陽介)
2 『勘仲記』と日記の書き方(高橋秀樹)
コラム2 藤原頼資の熊野詣の記録(甲斐玄洋)
コラム3 朝廷・摂関家・室町殿の殿舎空間と実務の場(家永遵嗣)
第3章 南北朝・室町時代の広橋家ー朝廷と幕府の仲立ち「武家伝奏」になるー
第1節 広橋家がなかだちとなって足利将軍家が天皇の後見役になる(家永遵嗣)
第2節 南北朝・室町時代の広橋家当主の日記
1 『仲光卿記』と北朝公家社会(小川剛生)
2 『兼宣公記』の形態の変遷と兼宣の人生(榎原雅治)
3 『綱光公記』と室町期の公武社会(桃崎有一郎)
4 『兼顕公記』にみる公家日記の変化(末柄豊)
コラム4 光業・兼綱親子の苦境と近衛家の分裂(遠藤珠紀)
コラム5 上皇・室町殿の側近「伝奏」から「武家伝奏」へ(家永遵嗣)
コラム6 近江国柿御園の紛争資料(村井祐樹)
第4章 戦国時代の広橋家
第1節 朝廷を守り、将軍家・戦国大名とのなかだちとなる(家永遵嗣)
第2節 戦国時代の広橋家当主の日記
1 『守光公記』と戦国期の公家社会(湯川敏治/廣田浩治)
2 町広光と広橋家の史料(末柄豊)
3 広橋兼秀と朝廷政務(末柄豊)
コラム7 廃棄された将軍足利義晴の手紙(末柄豊)
コラム8 広橋守光・兼秀と菅原高辻家との親交(遠藤珠紀)
コラム9 戦国時代の広橋家と足利将軍家・戦国大名大内氏(木下昌規)
第5章 中世の朝廷政務と広橋家
第1節 天皇家の分裂・国司制度の解体と朝・幕関係の再構築(家永遵嗣)
第2節 幕府・朝廷の財務連繋と広橋家(久水俊和)
第3節 広橋家の人事関係資料(井手麻衣子)
第4節 改元年号の選定と広橋家(田中奈保)
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