世の中には本当に色々な恋愛の形があるのだなと、興味深く読み進めました。その中でも特に、不倫という関係性に対する作中の冷めた感想や視点に、深く頷かされるものがありました。
当事者たちはきっと、自分たちの関係を「きれいな恋愛」や「特別な恋」だと思いたいのでしょう。けれど、客観的に見ればどこまでいっても不倫は不倫です。
作中に出てくる不倫している人々が、一様に自分を正当化し、相手の家族に対して驚くほど罪悪感を抱いていない姿には、ただただ恐怖を覚えました。これこそが、盲目になってしまう「恋愛マジック」の怖さなのかもしれません。
読んでいて、「そんなにうまくいくはずがない。いずれ痛い目に遭うに決まっている。いや、遭ってもらわなければ割に合わないし、遭うべきだ」とやはり思いました。たとえ今は報いを受けていないように見えても、因果応報は必ずあると信じたくなります。
恋愛自体は個人の自由かもしれませんが、裏切られた妻の立場に立ってみれば、腹立たしくて仕方がありません。
甘い幻想を一切排除し、人間の身勝手さや倫理観のズレを容赦なく描き出した本作。きれい事ではないからこそ、強烈な印象を残す一冊でした。

















