『フランケンシュタインの精神史 シェリーから『屍者の帝国』へ』(小野俊太郎)は、フランケンシュタインという物語が時代を超えてどのように読み継がれ、変容してきたかを丁寧に追った学術的かつ魅力的な一冊でした。メアリ・シェリーの原作から、現代日本文学に至るまでの思想的系譜をたどることで、「生命」「技術」「倫理」といった普遍的テーマがどのように受け継がれてきたかが明確になります。特に、科学の進歩と人間の傲慢さに対する警鐘を、文化的文脈の中で読み解く視点が印象的で、作品の深い精神的影響力を改めて実感しました。
フランケンシュタインと日本SF の相関をさぐる文化論!
200 年前に書かれた『フランケンシュタイン』が提示する
問題系の現代的な意義=「つぎはぎ」「知性や労働の複製」
「母性をめぐる解釈」などをめぐり、日本の戦後SFへの継承をたどる!
小松左京、光瀬龍、荒巻義雄の第一世代、
田中光二、山田正紀の第二世代をへて、
第三世代以降の伊藤計劃や円城塔へどのように繋がっているのか?
※2015 年秋上映予定の映画『フランケンシュタイン』、
そしてアニメーション映画、伊藤計劃・円城塔原作の『屍者の帝国』
の上映にあわせての刊行!
●はじめに
「怪物には、へそがない」・徘徊する怪物・
へそをめぐる議論・この本のねらいと構成
第1部 メアリー・シェリーの遺産
●第1章「生命創造とつぎはぎの身体」・
神の創造とゴシック小説・つぎはぎの身体と準創造
●第2章「魂なき肉体と機械の複製」・
人口統計と数値化の時代・ラッダイト運動と機械嫌悪
●第3章「境界線上の怪物」・
母性という呪い・家なき子と男たちの関係・
製造物責任をどこまで負うか
●第4章「グローバル化のなかの怪物」・
ナショナルの外へと出ていく・怪物の存在証明
第2部 戦後日本におけるフランケンシュタイン
●第5章「怪物からロボットやサイボーグへ」・
フランケンシュタインと視覚表現・フランケンシュタインと鉄腕アトム・
兵器としての鉄人28 号・良心回路と人造人間キカイダー
●第6章「神との闘争をめざして」・フランケンシュタインと戦後日本・
別の歴史と神への道ー小松左京・サイボーグと解脱ー光瀬龍
●第7章「フランケンシュタインと対抗文化」・新しい波と対抗文化・
ヨーロッパとフランケンシュタインー荒巻義雄・
エコロジーと闘争ー田中光二・神を狩る敗者たちー山田正紀
●第8章「怪物たちの共同体」・ポストヒューマンと怪物・
フランケンシュタインと女性性・『屍者の帝国』とテキストの縫合
●おわりに「フランケンシュタインの問題群」
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