曽野綾子さんの「老いの才覚」の読書感想文をご紹介します。
本書は、年齢を重ねることへの肯定的な視点と、自立した老後を送るための心構えを教えてくれる一冊です。
人生の黄昏時を迎えた時、人は何を思い、どう生きるべきか。
曽野さんは、老いを単なる衰えとしてではなく、新たな才能を開花させるチャンスと捉えます。
本書では、物欲や孤独との向き合い方、人との距離感、そして何よりも「自分がどうありたいか」という主体性を持つことの大切さが説かれています。
印象的だったのは、老いを「完成」に向けた営みと捉える視点です。
若い頃には見えなかった景色、感じられなかった感情。それら全てを経験として受け入れ、自分らしい生き方を完成させるために追求していくこと。
それこそが、曽野さんの言う「老いの才覚」なのではないかと感じました。