後悔病棟、希望病棟にも出ている
神田川病院の“金髪女医”太田香織と看護師・松坂マリ江が、
女子刑務所に派遣されるところから話が始まります。
香織とマリ江は
不思議な聴診器を通じて受刑者たちがなぜ犯罪を
犯してしまったのかを知っていきます。
犯罪をしてしまった事情は、さまざまですが
どの事情も私自身にも降りかかるかもしれない内容で
受刑者側に立つ可能性を感じざるを得ませんでした。
どんな事情があれ、犯罪はいけないということは簡単なのですが
犯罪に手を染めなくてもいい環境をつくることが大切だと思います。
女子刑務所が舞台のこの作品を読み、深く考えさせられました。
作中では、刑務所から釈放された後も身寄りや住む場所、お金がなく、社会でまともに生きていくことの難しさが描かれています。どんなに反省し、「もう二度と罪を犯さない」と心に誓っていても、生活環境が整わなければ、どうにもならない現実があるのだと痛感しました。
映画『ショーシャンクの空に』で、長年の服役から釈放され、一般社会に適応できずに自殺してしまうおじいさんのシーンを思い出しました。無知であることや、頼れる人がいないことが、再び罪を犯すことにつながってしまうのかもしれません。
この物語に登場する4人が、釈放後どうなったのかとても気になります。彼女たちが、どうかうまくやっていってほしいと心から願っています。