世界のオザワ!!
日本を代表する指揮者の小澤征爾さんが2024年2月に亡くなられた。
いろいろな音楽家、ミュージシャン、アーティストが海外で活動しているが、海外の人達から本当に認知され、初めて「世界の」と言えるのは、小澤征爾さんだと思う。
この『ボクの音楽武者修行』という作品は、小澤征爾さんが日本から船で単身ヨーロッパに渡って、世界的な指揮者になるまでの自伝になっている。
クラシックの指揮者なら、さぞスマートな経歴なのだろうと思っていたが、まったく違っていた。とても泥臭くエネルギッシュで開拓者のような道筋だった。
海外旅行がままならない時代にひとりヨーロッパに渡り、音楽という自分の才能をぶつけていく姿に引き込まれる。第一人者、開拓者というのはこういう人のことを言うのだろうと思う。
一度だけ生演奏を聴いたことがある。長野県松本市で行われたコンサートだ。「ラプソディ・イン・ブルー」を聴いた。神々しい指揮姿と圧倒的な演奏が今も心に目に焼き付いている。忘れられない貴重な体験をした。
小澤征爾さん、ご冥福をお祈りします。