心理学の大家の河合隼雄さんと文学の魔術師の村上春樹さんが1995年11月に行った対談。
改まった「対談」ではなく、頭に浮かんだまま、感ずるままの両者の語らいが魅力。
結婚と夫婦、身体と精神の関係性、表現力と病、芸術に源氏物語など話題は多岐に渡っています。
対談時期が村上さん著の『ねじまき鳥クロニクル』シリーズの完結後まもないため、折にふれて話題に上ることが多く、『ねじまき鳥クロニクル』が読みたくなりました。
文化や芸術、人の心について、読みやすい対談形式ではありながら、深い洞察や興味深い観点を味わえる本。
心理学を学んでみたいけど、難しい学術書や専門的な文献を読むのはしんどい、という中・高生などにもオススメできる本です。
対談の場を想像しながら読むのも、何だか心が温かくなるようであり、楽しめました。