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島根県。この県は山陰地方にあり、思うに47都道府県の中でも最もマイナーな県なのかもしれません。しかし、この本を読むと、この認識が見事に覆されます。
島根県は昔の出雲国、石見国、隠岐国が合体してできた県ですが、出雲国については、あの古事記においてそのほとんど半分近いボリュームが出雲に係る記述にさかれていることや出雲地方だけが10月が神在月とされていることなどから、日本という国の根幹的成り立ちに出雲が非常に重大な関わりを有していることが示されています。
石見国については、歌聖柿本人麻呂及び画聖雪舟の故地であること、また森鴎外や西周等の近代の偉人たちの故郷であること。隠岐国については、小野篁、後鳥羽院、後醍醐天皇という、いずれも勇名を馳せた人物たちの流刑の地であったことなどが示され、単なる史実以上の、これ等島根にゆかりある人物たちがいずれも日本という国の形成に大きく関わった偉人であることが語られるのです。
本書は島根の歴史のみならず、文芸、芸能、映画、生き物、グルメなどなど、その筆の及ぶところ多岐にわたり、もって誤解なき、島根の本当の姿を浮き彫りにしていきます。
写真も多く掲載されており、ストレスなく読み進めることができます。












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