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「スーホの白い馬」は、愛と悲しみ、美しさが一つに溶け合った民話の名作です。白馬との深い絆、理不尽な権力による奪われる痛み、そして悲しみによる再生―すべてがシンプルながら胸に迫る。赤羽末吉の描く草原の広がり、風の匂い、空の色が絵の隅々から伝わってくる。そして馬頭琴が生まれる結末は、失ったものの記憶がいつまでも形を変えて残るという希望の象徴。子どもにとっては少し切ないけれど、“命や忠誠とは何か”を考えさせる、美しく強い一冊です。