真面目でシリアスな小説作品を手がける著者の“別の顔”が見え、そのギャップに驚きつつも、どこか親しみやすさや人間らしさを感じ、「作家」という肩書きだけでは測れない、等身大の人間の苦悩や喜びに共感いたしました。 
総じて、『そして誰もゆとらなくなった』は、小説の硬さを離れて「ただ笑いたい」「ちょっと肩の力を抜きたい」ときにぴったりの一冊でありながら、読後にじんわりと人との繋がりや日常の尊さを考えさせてくれる、そんな温かさと軽妙さを併せ持つ作品だと思います。
結婚式の余興で全力を出して空回りしたり、腹痛と痔に振り回されたり、
10年ぶりのダンスレッスンで屈辱を味わったり──どの話もものすごくくだらないのに、
「一生懸命生きてると、こういうことあるよね」と妙にわかってしまいます。 
下ネタ多めで爆笑させつつ、自分の情けなさや弱さも笑いに変えてくれる本で、
読後にはちょっとだけ、自分の失敗にも優しくなれる一冊でした。
緊張感あふれる展開に、ページをめくる手が止まらなかった。登場人物たちの心理描写が巧みで、誰が味方で誰が敵なのか最後まで予測できず、驚きの連続だった。人間の弱さや恐怖心がリアルに描かれていて、読後もしばらく余韻が残る一冊。社会や人間関係の裏側を考えさせられる、非常に引き込まれる物語だった。

















