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鹿踊り部の活動に情熱を傾ける壮多のクラスに、東京から転校生の深澤がやってきた。初対面から相性の悪さを感じていた壮多だったが、深澤と幼なじみの七夏らと、地学部創設のために活動をすることになり…。
自分の今現在の生活と、これまで育ってきた歴史、そしてこれからについて、しっかり焦点が合っている正統派の青春小説だった。ほろ苦さや少しの冒険、不確定なことをどう受容していくか…。若くて真っ直ぐで、眩しい。宮沢賢治作品の足跡を辿るフィールドワークに、決して仲が良いわけではない三人が向かうのがかっこよくて、男子はずるいなと思った。