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テレビ局の報道部からイベント事業部に異動となった守谷。彼の指導係となった若手の吾妻が持っていた一枚の絵に魅せられ、その絵に隠された「イサム イノマタ」というサインの謎を追い、展覧会を開こうと奮闘する物語です。
これまで「ピンクとグレー」しか読んだことがなく、加藤シゲアキさんの作品を手に取ることはありませんでした。しかし、この作品に秋田の空襲が描かれていると知り、興味を惹かれて読み始めました。アイドル活動をしながらこれほどの大作を書き上げる才能には、ただただ感心します。
正直なところ、様々なテーマが盛り込まれていて、少しとっ散らかった印象も受けましたが、アイドルとして報道に接してきた彼だからこそ、このテーマを選んだのだろうと感じました。
芸術と報道という異なる世界が交差する中で、登場人物たちがそれぞれの過去と向き合い、未来へと進んでいく姿が印象的な一冊でした。