どの話も心に引っかかる違和感があり、読んでいるうちに背中がひやりとするような感覚を覚えました。自分も同じような状況に置かれたら、きっと登場人物と同じ選択をしてしまうかもしれません。怖いのは幽霊ではなく、自分の中にある曖昧な正しさだと感じました。
最後のオチが好きすぎる。世にも奇妙な物語が好きな人は絶対好き。最初から最後まで本当に「世にも奇妙」。小説だからこそ出来る仕掛けが散らばっていて、読了したけどすぐに読み返したくなる。気を抜くとあの音楽が脳内で鳴り響く……ぐらいホンモノ。
最初は笑って読めるのに、読み進めるほど
スクールカースト、SNS、炎上、同調圧力といった、今の社会の息苦しさがじわじわ浮かび上がってきて、
オチで一気に足元をすくわれます。 
一冊読み終えるころには、「多数派の正しさ」を信じ切ってしまう怖さや、
自分も誰かを裁く側になっていないかを、そっと問い返されるような、後味の苦いけれど癖になる作品でした。
世にも奇妙な物語を朝井りょう先生風に書いた短編集で、それぞれが独特で面白く、後味が悪かったりオチが読めなかったりと一つ一つにそれぞれの良さがあって飽きずに、読むことができましたし、ページを捲る手がたまりませんでした!













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