後宮を扱ったジャンルでは珍しい『香』をテーマにした物語です。
人によって香りの感じ方や、好き嫌いは千差万別ですが、どう物語と関係してくるのだろうと気になり購入しました。
物語の世界では、薬と同等かそれ以上に『香』が重宝されています。
『香』を扱う職業・香士も重要な職として扱われていますが、試験を受けることが出来るのは男性だけ。
主人公の凛莉は、かなり優秀で病人のどこが悪いのかも匂いで分かるような“絶対嗅覚”を持っています。
かつて凄腕の香士だった亡き父の無念を晴らすため、父が完成させようとしていた『秘宝香』を再現しようとする頑張り屋さんです。
診療所の不測の事態でも大活躍する凛莉の判断力と知識は確かなものですが、試験を受ける資格がないのはどうしようもないことなので、かなり歯がゆそう…
そんな中、凛莉は幼い頃からの知り合いである木蓮から、『秘宝香』の原料のひとつになる蘭天木が手に入ったという話を得ます。
しかし、凛莉は女性。香士の仕事はできません。
誰が蘭天木を手に入れるのか、という激しい争いが始まり、
何としても父の無念を晴らしたい凛莉は、木蓮の助言で後宮へ入ることを決意します!
さっそく他の妃から嫌がらせを受ける予感がすごいですが、凛莉の頑張る姿に期待です。
能力があっても、女性だからという差別的な理由で夢が叶わない状況下でも頑張る姿は、とても勇気がもらえますよ!