現代イランを知る本4選
伝統と現代が交錯する国、イラン。現地の生活や思想の理解を深める、4つの素晴らしい作品をご紹介しますよ。一つ目はイラン革命後の混沌を描いた傑作小説。少女の視点からくり広げられる全て無常の世界に思わず引き込まれます。二つ目は宗教的矛盾が巧みに描かれた近年の作品。イラン人ならではの視点が様々な問題を鋭く斬りつけます。三つ目は彫刻的な美しさを持つ詩的な漫画。イラン出身の作者が描く情緒豊かな世界に浸ることができます。最後に、イランの母と子の日常を描いた物語。彼らのゆったりとした時間の流れから、現代イランの暮らしを垣間見ることができますよ。
『イラン現代史 イスラーム革命から核問題、対イスラエル戦争まで』
1979年にホメイニー師を中心とした革命で発足したイラン・イスラーム共和国。
シーア派の理論に基づいた体制を敷き、中東でも反アメリカ、反イスラエルの急先鋒として存在感を示す。
国際的に孤立しようとも核開発を進めて独自の道を歩むが、ここに至るには東西冷戦や中東での覇権争いなど複雑な歴史があった。
本書は革命以後の軌跡を政治・経済・社会の側面から迫る。混迷する国際情勢の中、イランはどこへ向かうのか。
●佐橋亮(国際政治学者・東京大教授)
私たちはつい「欧米」目線でイランをみてしまうが、この土地に住む人々が何を選択してきたのか、何に葛藤してきたのか、本書が描く見取り図は説得的だ。
大統領候補者選びや最高指導者と三権の関係など、ユニークな統治の仕組みが図も用いられて解説。女性問題や文化などイランを更に知りたくなる記述にあふれている。
●小熊英二(歴史社会学者・慶應義塾大学教授)
通常の国際関係論は西洋基準の「国益」で事象を説明するが、それが通用しない「法治」国家の内在的論理と行動を、国家上層部から民衆レベルまでカバーして記述する。現地語を駆使した地域研究の面目躍如。
■書評掲載■
・読売新聞(朝刊)2026年1月25日/佐橋亮(国際政治学者・東京大教授)
・共同通信 2025年12月2日
・赤旗 2025年12月14日
・「新書大賞2026」『中央公論』3月号
| 作者 | 黒田賢治 |
|---|---|
| 価格 | 1155円 + 税 |
| 発売元 | 中央公論新社 |
| 発売日 | 2025年11月20日 |
『改訂増補 イラン現代史 従属と抵抗の100年』
現代世界のなかで無視できない中東の大国イラン。その現代史は欧米諸国への従属と抵抗に彩られている。19世紀から21世紀の現在まで、欧米列強の度重なる露骨な介入と支配に対して、あるときはそれを受容し、またときにはそれに激しく反発・抵抗してきたイランの歴史を平易に解説する入門書。
「核開発」疑惑や「テロ」問題に絡めて、欧米から貼られる「イスラム原理主義国家」というレッテルとは一線を画し、イラン内部の葛藤や苦悩にも光を当て、この国の真の姿と歴史のダイナミズムを描き出す。初版に改訂を施し、さらに2001年から2019年に至るイラン政治と国際政治の激動に関する新章を加えた待望の「改訂増補」版。
はじめにー「イラン現代史」を学ぶにあたってー
序 章 「域内大国」イランの特異性
第1章 19世紀帝国主義時代下のイラン
第2章 立憲革命の展開と政治危機の深化
第3章 第一次大戦と戦後イランの混迷
第4章 レザー・シャー独裁王政の成立と変転
第5章 石油、冷戦と民族的抵抗
第6章 「改革」志向の独裁と米国、そして抵抗運動
第7章 革命、戦争と「党派対立」の激化
第8章 さらなる苦難の道へ
| 作者 | 吉村 慎太郎 |
|---|---|
| 価格 | 2640円 + 税 |
| 発売元 | 有志舎 |
| 発売日 | 2020年04月17日 |
『語れなかった物語 : ある家族のイラン現代史』
| 作者 | Nafisi,Azar 矢倉,尚子,1951- |
|---|---|
| 価格 | 不明 |
| 発売元 | 白水社 |
| 発売日 | 2014年09月 |
『現代イランの社会と政治 つながる人びとと国家の挑戦』
地政学的な条件もあり国際政治の厳しい局面に巻き込まれてきた近現代のイラン。その社会=政治運動は、知識人、エスニック集団や軍人、在外イラン人など、国境を越えた活発なネットワーキングに依拠し、国内外の力関係を反映して展開してきた。本書では、ネットワーク型社会運動の系譜と、その政治化における諸問題を学際的アプローチで捉え論考する。
| 作者 | 山岸 智子 |
|---|---|
| 価格 | 3080円 + 税 |
| 発売元 | 明石書店 |
| 発売日 | 2018年11月30日 |
今回ご紹介した4作品は、まさに「現代イラン」の様々な観点から描かれています。難しい宗教的なテーマから日常生活まで、その幅広さは驚くべきものです。これらの作品を読むことで、イランという国の多面性、矛盾、そして美しさが見えてくるのではないでしょうか。
これら全ての作品が結びついて物語る"現代イラン"。自分たちのライフスタイルを貫く女性たち、政治に挑戦する人々、宗教に対する異なる信念と向き合い、そしあるがままの生活を楽しむ人々。彼らの生き様から私たちは、時に厳しい現実を突きつけられますが、同時にその中に散りばめられた人間の揺るぎない強さや生きる希望も感じることができます。
一冊一冊の中に詰まったストーリーや情感は、現代イランという国を知る上で貴重なヒントとなります。現地の人々の笑顔や苦しみ、喜びや挫折が、個々のエピソードを通じてリアルに伝わってきます。私たちが普段接することのない彼らの生活が、あたかも目の前に広がっているかのようです。
言葉や文化、習慣が違う彼らとは、どうやって共感を持つことができるのでしょうか。その答えが、この4作品の中にあると言っても過言ではないでしょう。物語を通じて、彼らの日常、思考、感情へとアプローチすることができます。
もちろん、全てのイラン人の生活を包括するものではありませんが、ここに描かれた数々のドラマはそこに生きる一人ひとりの人生を象徴しています。
イランという国を理解するためには、こういった作品を手に取り、彼らの生きざまを感じることが一つの近道だと思います。それは、自分たちの生活とは全く異なるかもしれない彼らの世界を知ることで、自分たち自身の視野を広げるきっかけにもなります。それぞれの作品が、皆さまにとって「現代イラン」を知る一助となれば幸いです。
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