島田潤一郎の作品特集:一人出版社、夏葉社の裏側
島田潤一郎、その名前を一度でも耳にしたことがあるならば、その独特の世界観に心を奪われたことでしょう。筆者の描く、一人出版社・夏葉社の日常は、読者をぐっと引き寄せます。彼の作品は、出版業界の裏側を丁寧に描いていて、業界人が持つ闘志や葛藤、業界のシステムや仕組みがリアルに描かれています。しかし、ただそれだけではないのが島田作品の魅力。生活の中に潜む、些細だけど大切な対人関係や感情の揺らぎも、緻密な筆致で描き上げられています。そうした日常の一部として出版業界が描かれ、そこに宿る人間ドラマが心に響きます。一見平凡な業界を、鮮やかに、時に切なく描き出す島田潤一郎の世界、ぜひご堪能あれ。
『長い読書』
「本を読みなさい。
ぼくのまわりに、そんなことをいう人はいなかった。」
小説を読みはじめた子ども時代、音楽に夢中でうまく本が読めなかった青年期から、本を作り、仕事と子育てのあいまに毎日の読書を続ける現在まで。
吉祥寺のひとり出版社「夏葉社」を創業し、文学をこよなく愛する著者が、これまで本と過ごした生活と、いくつかの忘れがたい瞬間について考え、描いた37篇のエッセイ。
本に対する憧れと、こころの疲れ。ようやく薄い文庫本が読めた喜び。小説家から学んだ、長篇を読むコツ。やるせない感情を励ました文体の力。仕事仲間の愛読書に感じた、こころの震え。子育て中に幾度も開いた、大切な本…。
本について語る、あるいは論じるだけではなく、読むひとの時間に寄り添い、振り返ってともに考える、無二の散文集。
「ぼくは学校の帰りや仕事の帰り、本屋や図書館で本を眺め、実際に本を買い、本を読んだあとの自分を想像することで、未来にたいするぼんやりとした広がりを得た。」
本を読むまで
本を読むまで
大きな書棚から
家に帰れば
『追憶のハイウェイ61』
バーンズ・コレクション
江古田の思い出
遠藤書店と大河堂書店
大学生
『風の歌を聴け』
本を読むコツ
文芸研究会
Iさん
すべての些細な事柄
「アリー、僕の身体を消さないでくれよ」
大学の教室で
本と仕事
『言葉と物』
『なしくずしの死』
『ユリシーズ』がもたらすもの
沖縄の詩人
リフィ川、サハラ砂漠
遠くの友人たち
『魔の山』
H君
団地と雑誌
本づくりを商売にするということ
「ちいさこべえ」と「ちいさこべ」
アルバイトの秋くん
本と家族
リーダブルということ
『アンネの日記』
『彼女は頭が悪いから』
子どもたちの世界
宿題
ピカピカの息子
声
そば屋さん
山の上の家のまわり
長い読書
作者 | 島田潤一郎 |
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価格 | 2530円 + 税 |
発売元 | みすず書房 |
発売日 | 2024年04月18日 |
『あしたから出版社』
青春の悩める日々、創業への道のり、編集・装丁・営業の裏話、忘れがたい人たち……「ひとり出版社」を営む著者による心打つエッセイ。解説 頭木弘樹本当は就職をしたかった。でも、できなかった。33歳のぼくは、大切な人たちのために、一編の詩を本にすること、出版社を始めることを決心した──。心がこもった良書を刊行しつづける「ひとり出版社」夏葉社の始まりから、青春の悩める日々、編集・装丁・書店営業の裏話、忘れがたい人や出来事といったエピソードまで。生き方、仕事、文学をめぐる心打つエッセイ。解説 頭木弘樹
作者 | 島田 潤一郎 |
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価格 | 968円 + 税 |
発売元 | 筑摩書房 |
発売日 | 2022年06月13日 |
『電車のなかで本を読む』
良いと思うものだけを刊行してきた、ひとり出版社・夏葉社の代表が、これまでに読んできたなかから、自分の体験をまじえつつ、珠玉の49冊を紹介します。著者は、鬱屈としていた20代、すがるように本を読みました。本のなかには、自分と同じように、思い通りにいかない人生にもがいている人がいたり、自分の狭い考えを広げてくれる先達がいました。本書は、高知新聞別刷り「K+(ケープラス)」に連載された選りすぐりの寄稿文を加筆・修正し、さらに書き下ろしを3編加えました。「ぼくは電車のなかでは原則、スマホを見ずに、本を読んでいました。そうすると、だいたい1週間で1冊本が読めて、年間で50冊本が読めました。10年電車で本を読めば500冊もの本が読めます。それは間違いなく、人生を豊かにしてくれます」(著者)。誰かの人生を支える本を作りたいと願う著者が、読書の素晴らしさを伝えます。
作者 | 島田潤一郎 |
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価格 | 1760円 + 税 |
発売元 | 青春出版社 |
発売日 | 2023年04月21日 |
『古くてあたらしい仕事』
「本をつくり、とどける」ことに真摯に向き合い続けるひとり出版社、夏葉社【なつはしゃ】。従兄の死をきっかけに会社を立ち上げたぼくは、大量生産・大量消費ではないビジネスの在り方を知る。庄野潤三小説撰集を通して出会った家族たち、装丁デザインをお願いした和田誠さん、全国の書店で働く人々。一対一の関係をつないだ先で本は「だれか」の手に届く。その原点と未来を語った、心しみいるエッセイ。
作者 | 島田 潤一郎 |
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価格 | 605円 + 税 |
発売元 | 新潮社 |
発売日 | 2024年04月24日 |
以上、島田潤一郎の世界観をちょっとだけ皆さんにお伝えしました。一人出版社、夏葉社を舞台に展開する彼の作品群は、描写の巧みさ、語り口の独特さがありますよね。一見すると平穏無事な日常風景かと思いますが、そこには深淵なる世界が広がっています。
島田潤一郎の長篇、短篇を問わず、登場人物たちが抱える孤独や葛藤、繊細な感情の揺れや切なさは、読者の心をゆさぶります。特に、彼独自の風景描写は美しく、しかもリアルで、まるでその場にいるかのような感覚に浸れます。
平凡でありながらも特別な、夏葉社の日常。その中で起こる微妙な人間関係の変化や登場人物たちの成長を描いた彼の作品は、日常の小さな出来事を大切に描き出すことで、ちょっとした感慨や考えさせられることがたくさんあります。
これらの作品を通して、島田潤一郎の世界を是非とも味わってみてください。きっと、新たな視点で日常を見つめなおすことが出来るはずです。そして、自分の心の中に眠る、気づかなかった何かを見つけることができるかもしれません。
あなたがこれらの作品を読んだ後での感想、そして新たな発見など、ぜひ私たちにも教えてください。それは、また新たな作品への一歩につながるかもしれません。以上、島田潤一郎の作品紹介でした。これを機に、一人出版社、夏葉社の世界へ足を踏み入れてみてはいかがでしょうか。
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