近現代のトルコ史を学べる本4選
近現代のトルコ史を学べる本はどういうものかと思う方も多いでしょう。今回私がおすすめするのは、歴史のディテールを丁寧に描いた作品からサスペンスの要素もちりばめられた作品まで幅広くご紹介します。一冊目は政治の舞台裏を描いたもので、とても興味深いですよ。二冊目は芸術と文化の視点からトルコを描いた作品で、目からウロコの情報が盛りだくさん。三冊目は社会の底辺で生きる人々のリアルを描いたもので、生々しい描写に引き込まれます。最後の一冊は小説と漫画のコラボで、歴史の枠を超えたエンターテイメント作品となっています。
『トルコ近現代史 : イスラム国家から国民国家へ』
作者 | 新井,政美,1953- |
---|---|
価格 | 不明 |
発売元 | みすず書房 |
発売日 | 2001年04月 |
『トルコ100年の歴史を歩く(1038;1038) 首都アンカラでたどる近代国家への道』
《目次》
第1章 西洋化とイスラームのはざまで
首都の構成と人口の変遷、圧倒的な人気を誇るムスタファ・ケマル、西洋化に基づく国家建設の理想と現実、クルド・ナショナリズムなど
第2章 郊外都市への変貌
都市化と住宅問題、トルコの中でも地震が少ない、都市化と飲食業、車の普及と充実したバス網など
第3章 つわものどもが夢の跡
政治家たちの足跡を追って、第二代大統領イスメト・イノニュと「ピンク邸宅」など
第4章 デモ・クーデター・テロの記憶
行政の中心地=政変の中心、アンカラの中心地、クズライでのデモなど
第5章 外交と政策決定の中心地
トルコの地政学的特徴、地政学的特徴に即した外交、外交機関としての外務省と移民局など
《概要》
2023年10月、トルコ共和国は建国100年を迎える。世界中の国々を見渡してみれば、まだ若い国ではある。しかし、その地理的な位置や宗教的立場から近年の国際政治・経済の場面でその存在感を高めつつある。
そのトルコの首都は「アンカラ」だ。観光地と知られ、華やかなイスタンブールとは違い、アンカラにはトルコ大国民議会や大統領府や省庁などの政治関連の建物や難関大学などが建ち並び、どちらかといえば地味でお堅いイメージだ。しかし建国の父ケマル・アタトゥルクが眠る廟やケマルの銅像は、トルコの人々の精神的な拠りどころとして大切にされている。また近年、大型ショッピングモールや流行りのカフェやレストラン、欧米資本のホテルなどが数多く建てられ、トルコの経済発展を垣間見ることもできる。一方で、クーデターやデモ、テロが起きた公園や通り、標的となった大学があり、そこには犠牲者を悼む碑などを目にする。つまり、アンカラはトルコの首都であるとともに、トルコの100年の歩みそのものなのである。
本書はアンカラ市内の政府関連施設や博物館、モスクや大学、そして主要交通機関を紹介しながらトルコ共和国100年の歴史を多数の写真とともに読み解くもの。現代のトルコ情勢を長きにわたり調査を行ってきた現地在住の気鋭の研究者ならではの視点満載の1冊。
第1章 西洋化とイスラームのはざまで
首都の構成と人口の変遷、圧倒的な人気を誇るムスタファ・ケマル、西洋化に基づく国家建設の理想と現実、クルド・ナショナリズムなど
第2章 郊外都市への変貌
都市化と住宅問題、トルコの中でも地震が少ない、都市化と飲食業、車の普及と充実したバス網など
第3章 つわものどもが夢の跡
政治家たちの足跡を追って、第二代大統領イスメト・イノニュと「ピンク邸宅」など
第4章 デモ・クーデター・テロの記憶
行政の中心地=政変の中心、アンカラの中心地、クズライでのデモなど
第5章 外交と政策決定の中心地
トルコの地政学的特徴、地政学的特徴に即した外交、外交機関としての外務省と移民局など
作者 | 今井 宏平 |
---|---|
価格 | 1056円 + 税 |
発売元 | 平凡社 |
発売日 | 2023年09月19日 |
『一冊でわかるトルコ史』
作者 | 関,真興,1944- |
---|---|
価格 | 不明 |
発売元 | 河出書房新社 |
発売日 | 2021年08月 |
『ケマル・アタテュルク オスマン帝国の英雄、トルコ建国の父』
トルコ建国の父、ムスタファ・ケマル(1881〜1938)。オスマン帝国が列強からの脅威にさらされるや救国の英雄として活躍し、帝国崩壊後は大統領に就いてトルコ共和国を建てた。民族主義と世俗主義を掲げて、新国家の建設を権威的に進めたケマル。議会から「アタテュルク(父なるトルコ人)」という姓を与えられ、今なお国民から敬愛される彼の実像を、家族、友人、同士とのかかわりとともに迫る。
作者 | 小笠原弘幸 |
---|---|
価格 | 1100円 + 税 |
発売元 | 中央公論新社 |
発売日 | 2023年10月23日 |
これらの作品を通して、ただ事実を並べるだけでは伝わらない、人々の暮らしや感情、文化などを感じられる近現代トルコ史への理解を深めていただけると思います。どれもこれも各作家の視点とストーリーテリングが体験されるトルコの歴史を魅力的に描き出しています。
それぞれの作品が、トルコの大衆的な視点、政治的な視点、伝統的な視点などを垣間見せてくれます。ドラマティックな物語の中で、読者はトルコの魅力を感じつつ、かつてのトルコと現在のトルコにどのような変化があったのか、どのような困難を乗り越えてきたのかを学べます。
また、これらの作品は時代背景や人々の生活を描くだけでなく、トルコ独自の価値観や哲学、心の移り変わりを深く掘り下げている点も見逃せません。イスタンブールの日常、多様な宗教観や伝統的な生活習慣もしっかりと描かれていて、現地の空気感まで伝わってきます。
というわけで、ただの歴史書とは一線を画した、力強くも情緒溢れる近現代トルコ史を描いたこれらの作品。トルコに興味ある方はもちろん、歴史や文化、人々の生きざまに興味のある方にもぜひ手に取っていただきたい一冊です。文学作品を通じて新たな視点を持つことで、これまで見えなかった風景を見つける喜びを感じて頂ければ幸いです。これらの作品を読んで、トルコへの新たな興味と理解が深まることを心から願っています。
本サイトの記事はあくまで新しい書籍と出会う機会を創出する場であり情報の正確性を保証するものではございませんので、商品情報や各作品の詳細などは各自で十分に調査した上でご購入をお願いいたします。各通販サイトが提供するサービスは本サイトと関係ございませんので、各通販サイトは自己責任でご利用ください。