飛行船の歴史を知る本3選

一冊目は飛行船開発の黎明期を生き抜いた男の半生を描いています。彼の挑戦と失敗、成果を等身大で描いた作品で、技術だけでなく技術を支える人間ドラマにも触れられますね。二冊目はテクノロジーに焦点を当てた一冊。飛行船の製造技術はもちろん、その時代の社会背景まで詳しく描かれていて、飛行船が世に出るまでの経緯を知ることができます。三冊目は有名な飛行船事故を取り扱った作品。事故の真相を追求する過程で、当時の飛行船の技術的限界や危険性を痛感させられます。この三冊を通して、飛行船の魅力と人類の探求心を感じてみてください。
『飛行船の歴史と技術』

作者 | 牧野,光雄,1934- |
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価格 | 不明 |
発売元 | 成山堂書店 |
発売日 | 2010年08月 |
『戦う飛行船 第一次世界大戦ドイツ軍用飛行船入門』

世界初の近代的総力戦となった第一次世界大戦において、ドイツ軍は巨大な飛行船を兵器として多数運用した。その数は百隻を優に超える。
彼女たちは劣勢に立たされた祖国を救うゲームチェンジャーたることを期待され、多岐に渡る任務に就いた。戦略爆撃、対地・対艦攻撃、哨戒・偵察、輸送…新時代の航空戦の幕開けだ。
本書は、本邦唯一の「兵器としての飛行船」の入門書として、飛行船の発展、各部メカニズム、ドイツ軍飛行船の戦術・運用、組織・編制、基地などのインフラ、主要な戦闘とその帰結、関連する著名な技術者・軍人、後世の軍事・航空への影響などを、カラーイラストや写真を多数交えつつ、詳解する。
「気球と飛行船の違い」から易しく説き起こし、ドイツでのみ長足の進歩を遂げた政治的・軍事的背景、ユトランド沖やブリテン上空での死闘、そして飛行機に敗れ去るまで。ドイツ飛行船の栄光と悲劇の全てがここに。
【CONTENTS】
カラーイラスト集
序文
第1章 飛行船の技術と発展
第1節 飛行船の定義
第2節 飛行船が飛ぶ原理
人物列伝:フェルディナント・フォン・ツェッペリン伯爵
第3節 飛行船の部位に関する技術的解説
人物列伝:ツェッペリン以外の飛行船開発者たち
第4節 軍用飛行船の発展〜各型式とタイプについての概説〜
第2章 飛行船の運用 059
第1節 ドイツ陸海軍の飛行船の任務及びその用途
第2節 ドイツ陸海軍の飛行船に関する組織
第3節 飛行船を運用する
コラム:映像で見るドイツ軍用飛行船
第4節 飛行船運用のためのインフラ
人物列伝:飛行船を駆った軍人たち
第3章 第一次世界大戦におけるドイツ軍用飛行船の戦い
第1節 戦力の拡充と緒戦の活躍(開戦から1915年末まで)
戦闘記録:英国初空襲
戦闘記録:ロンドン初空襲
戦闘記録:マティのロンドン襲撃
DOCUMENT:戦略爆撃の始まり
第2節 “分水嶺” 戦略兵器としての飛行船の敗北(1916年)
戦闘記録:対英艦隊決戦構想と飛行船 -ユトランド沖海戦とサンダーランド砲撃ー
戦闘記録:総力を挙げた空爆と、SL 11の喪失
戦闘記録:R級2隻の喪失
戦闘記録:マティの死
戦闘記録:バルカン戦線における飛行船の活動及び8月28日のブカレストに対する攻撃
DOCUMENT:連合軍の対抗策
第3節 死闘と終焉 (1917年から1918年の終戦まで)
戦闘記録:1917年4月23日の商船拿捕
戦闘記録:L 43と英巡洋艦「シドニー」との対決
戦闘記録:1917年6月17日のラムスゲイト空襲
戦闘記録:サイレント・レイド
戦闘記録:1918年3月13日のハートルプール空襲
戦闘記録:シュトラッサーの最期
戦闘記録:L53撃墜
DOCUMENT:ドイツ海軍における飛行船から飛行機への転換
戦闘記録:アルビオン作戦
戦闘記録:「アフリカ号」の冒険
終章 「それでも、飛行船は飛ぶ」
第1節 ドイツ飛行船団の滅亡
第2節 兵器としての飛行船の”成果”と限界
第3節 旅客飛行船黄金期
第4節 飛行船の未来
参考文献一覧
作者 | 本城宏樹 |
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価格 | 2970円 + 税 |
発売元 | イカロス出版 |
発売日 | 2022年12月23日 |
『飛行船の雑学』

作者 | 田中新造 |
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価格 | 1079円 + 税 |
発売元 | グラフ社 |
発売日 | 1983年07月 |
それでは、「飛行船の歴史を知る本3選」の紹介はこれで終わりにしたいと思います。各作品ごとに、魅力がたっぷり詰まっているので、ぜひ読んでみてくださいね。飛行船の豊かな歴史が描かれており、一冊一冊の本から飛行船の素晴らしさを再認識できるからです。
詳しくは本でご確認いただきたいのですが、19世紀の初期から開発が始まり、ゴージャスな内装や旅客船としての役割、そして戦争での使用など、飛行船の歴史はまさに冒険の連続。私たちが今目の当たりにしている旅客機のような飛行体が存在する前の、人類が空を飛ぶ夢を形にするための努力の記録からたくさんのことを学ぶことができます。
さらに、本の中では、それぞれ異なる視点から飛行船の歴史を紐解いてくれますから、1冊読み終わるごとに、さまざまな角度から飛行船の魅力を知ることが出来るでしょう。また、あくまで歴史について語られている本ではありますが、それぞれの作者の情熱やエネルギーが感じられる、読み応え満点な本たちだと思います。
そして最後に。飛行船の歴史を学ぶことにより、今まで目に見えなかったものが見えるようになるかもしれません。飛行船という既知の存在が、あらためて新鮮に感じられることでしょう。それが、歴史を学び、理解する楽しみの1つだと思います。
私たちが住むこの世界は、過去の彼方から今日まで続く長い歴史とともに紡がれてきました。それを知ることによって、より深く現在を理解し、未来を想像する力を得られると思います。
ぜひこれらの本を通じて、飛行船の奥深い歴史を感じてみて下さい。それでは、読書の時間を心からお楽しみくださいね。
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