高齢者が登場人物として出てくる小説5選
登場人物に高齢者を採用した小説、気になりませんか?夢を追う青年や成長する少女に比べ、人生の落ち着きと経験を持つ年配者の視点は一味違います。滑稽で陽気な老人の話から、長い人生を生き抜いた賢者の深遠な物語まで、色とりどりの人生を描いています。中にはそんな高齢者たちが主人公や主要な登場人物として織り成す作品もあったりします。老いてもなお活躍する彼らの存在は、読む者に生きる勇気と希望を与えます。さぁ、あなたも高齢者たちの世界へ足を踏み入れてみませんか?
『老害の人』
迷惑なの! と言われても。
昔話に説教、趣味の講釈、病気自慢に孫自慢。
そうかと思えば、無気力、そしてクレーマー。
双六やカルタの製作販売会社・雀躍堂の前社長・戸山福太郎は、娘婿に社長を譲ってからも現役に固執して出勤し、誰彼かまわず捕まえては同じ手柄話をくり返す。
彼の仲間も老害の人ばかり。素人俳句に下手な絵をそえた句集を配る吉田夫妻に、「死にたい死にたい」と言い続ける春子など、老害五重奏(クインテット)は絶好調。
「もうやめてよッ」福太郎の娘・明代はある日、たまりかねて腹の中をぶちまけた。
『終わった人』『すぐ死ぬんだから』『今度生まれたら』に続く著者「高齢者小説」第4弾!
定年、終活、人生のあとしまつ……。
自分のこと、親のこと、いずれは誰もが直面する「老後」。
「最近の若い人は……」というぼやきが今や「これだから『老害』は」となってしまった時代。
内館節でさらなる深部に切り込む!
作者 | 内館 牧子 |
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価格 | 1760円 + 税 |
発売元 | 講談社 |
発売日 | 2022年10月17日 |
『じい散歩』
夫婦あわせて、もうすぐ180歳。中年となった3人の息子たちは、全員独身ーー。明石家の主、新平は散歩が趣味の健啖家。妻は、散歩先での夫の浮気をしつこく疑っている。長男は高校中退後、ずっと引きこもり。次男はしっかり者の、自称・長女。末っ子は事業に失敗して借金まみれ。……いろいろあるけど、「家族」である日々は続いてゆく。飄々としたユーモアと温かさがじんわりと胸に沁みる、現代家族小説の白眉。解説・木内昇
作者 | 藤野千夜 |
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価格 | 825円 + 税 |
発売元 | 双葉社 |
発売日 | 2023年08月08日 |
『七十歳死亡法案、可決』
高齢者が国民の三割を超え、破綻寸前の日本政府は「七十歳死亡法案」を強行採決。施行まで二年、宝田東洋子は喜びを嚙み締めていた。我儘放題の義母の介護に追われた十五年間。能天気な夫、引きこもりの息子、無関心な娘とみな勝手ばかり。やっとお義母さんが死んでくれる。東洋子の心に黒いさざ波が立ち始めて……。すぐそこに迫る現実を描く衝撃作!
作者 | 垣谷 美雨 |
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価格 | 737円 + 税 |
発売元 | 幻冬舎 |
発売日 | 2015年02月10日 |
『ユートピア老人病棟』
元眼科医の湯浅マキは七十九歳。物忘れは多少激しくなってきたものの、足腰丈夫、いたって元気な高齢者である。ある日息子夫婦に誘われてドライブに出かけるが、着いた先はなんと病院だった!しかも認知症の傾向が見られたため、そのまま検査名目で入院させられてしまう。同じ病棟のそれぞれ事情を抱えた入院患者たちに次第に興味を抱き始めるマキだったが…。「老い」は罪なのか、老人が誇りを持って生きられる場所はないのかー。コミカルなタッチで高齢者の自立・幸せを問う、ユーモア医療小説。
作者 | 江川晴 |
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価格 | 607円 + 税 |
発売元 | 小学館 |
発売日 | 2009年09月09日 |
『親の家が空き家になりました』
50代の主婦・佐々木瞳は兵庫県のマンションで夫の一郎と二人で暮らしていたが、2018年に母の京子が階段を踏み外して入院したことをきっかけに、一緒に暮らすことを提案。京子は新しい環境にも慣れ、充実した暮らしを送っていたが、新型コロナウイルスの感染拡大が世界中を襲う。緊急事態宣言が発出され、友人たちと会えなくなった京子は精神的に不安定になり、失禁をすることも増えていた。そんなある日、瞳と一郎が母のことで言い合いになるのを母に聞かれてしまう。その翌日、京子が急死。母が残した自筆の遺言状の内容は、きょうだい3人の中で瞳に多く相続させるものだった。そのことをきっかけに、兄の真司と姉の陽子は瞳を責めるような態度をとる。瞳は空き家となった実家の整理や売却に向けての準備を進めつつ、中学の同級生で自称“空き家ウォッチャー”の和江とともに空き家が活用されている事例などに触れていくーー。
作者 | 葉山 由季 |
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価格 | 1870円 + 税 |
発売元 | 潮出版社 |
発売日 | 2024年09月05日 |
これらの作品を通して、老いを語るというのは決して暗いものだけではなく、人生の一部として捉え、その奥深さを感じさせるものだということを再認識できたのではないでしょうか。主人公たちはそれぞれの歳月を生き抜き、様々な経験と智慧を胸に秘めています。彼らの話す言葉一つ一つには、時には厳しさ、時には幽黙さ、そして何より深い愛情が込められています。彼らは人間の尊厳を秘めたまま老いてゆき、その様はまるで私たちにとっての道標のようでもあります。
これらの物語は、そんな高齢者たちの姿を描き出しています。彼らの力強さ、弱さ、そして美しさ。もしかすると、我々は常にそんな彼らから何かを学び、自身の生き方を考えてみる機会に恵まれているのかもしれません。ただただ年を重ねるだけでなく、自分たちがどのように年をとっていきたいか、そんなことを改めて考えさせてくれる作品群だと思います。
また、若い世代がこれらの作品を読むことで、年齢だけでは計れない人間の価値に気付くことができるのではないでしょうか。老いとは避けて通れない過程ですが、それぞれの人生が豊かに彩られていれば、それはそれで素晴らしい。だからこそ、これらの作品を通じて、我々は老いの美しさや、その先に広がる可能性について、深く考える機会を持つべきだと思います。
ここで紹介した作品は一部ですが、高齢者を描いたさまざまな小説や漫画があります。これをきっかけに、ぜひあなたも良い作品に出会ってみてください。あなたの人生観が少しでも広がることを心より願っています。
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