移民の歴史を知る本4選
世界が進化を遂げても、移民の問題は常に私たちの側にあります。それを理解するためには、過去の移民の歴史を学ぶことが不可欠ですよね。そういった意味で、今回おすすめしたいのは、移民の歴史を描いた4冊の本です。初めの1冊目はアメリカ大陸の草分け時代に舞台を置きます。次に紹介するのは、世界大戦中のユダヤ人の物語。その後は、タピオカミルクティーでおなじみの台湾の日本統治時代の話。ラストは、現代のシリア難民問題をリアルに描いています。フィクションでありながらリアルな描写が、読者の心を強く揺さぶります。
『移民の歴史』
国境を超えた人口移動の背景には、地球上にくらす人類の個別複雑な生活誌がある。それを読み解く移民研究を平明に解説した、画期的な入門書。学芸文庫オリジナル。
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国境を超えたグローバルな人口移動の歴史。それは、人類出現以来の全史でもあり、その背景には、地球上にくらすあらゆる人々の個別複雑な生活誌が横たわっている。本書はまず移民史を概観し、越境移動の種類を分類。さらに、時代や国境を超えて広がるトランスカルチュラルな生活、市民権へのアクセス、移民の起業家精神などを解釈するための、体系的なアプローチを解説していく。ジェンダー、難民、労働市場など最新の論点も視野に入れられる。「移民とはなにか」という問いに対して、マクロとミクロな両方の視点を備えたコンパクトで画期的な入門書。
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労働市場・難民・受入社会・文化変容――
越境移動から読む人類史
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作者 | クリスティアーネ・ハルツィヒ/本文 ディルク・ヘルダー/本文 ダナ・ガバッチア/本文 ほか |
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価格 | 1300円 + 税 |
発売元 | 筑摩書房 |
発売日 | 2023年12月11日 |
『移民は世界をどう変えてきたか』
・移民と、移民がもたらす文化が与える影響は何か、経済にとって本当にプラスなのか?
・移民文化の多様性、習慣、政治文化などがもたらす変化とは?
--世界史的なスケールの視野で計量分析された諸研究を整理・紹介
移民への姿勢で大きく二分された世界において、シリア難民をめぐる議論やトランプ政権下の「国境の壁」問題など、緊張感が一層高まっている。本書では、近年著しく発展している計量分析手法を用いて、移民や彼らの文化がもたらす効果・影響を重層的に整理、分析する。マクロ経済学・経済史的な視点から、壮大なタイムスケールで移民が移住先の社会・経済に与えてきた影響を考察する。
作者 | ギャレット・ジョーンズ |
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価格 | 3300円 + 税 |
発売元 | 慶應義塾大学出版会 |
発売日 | 2024年04月23日 |
『世界の移民歴史図鑑』
5万年以上前のアフリカ出発、大陸の横断、海の移動、帝国の拡大、迫害と追放、交易など、人類の移動がどのように歴史を形成してきたのか、6つの年代ごとに写真や図版、移動ルートを示す地図を用いて解説する。索引付き。
作者 | フィリップ・パーカー/本村 凌二/小林 朋則 |
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価格 | 6380円 + 税 |
発売元 | 原書房 |
発売日 | 2023年04月21日 |
『移民の世界史』
先史時代の出アフリカから、現代の移民にいたる「人類の大移動史」
・写真や地図、グラフが豊富な歴史社会学の本
本書では、
巡礼者、労働者、難民、探検家、亡命者、留学生、旅行者、退職者など、
「人の移動」を44のテーマに分けてみていき、その全体像をとらえていく。
・古生物学、人口統計学、地理学、社会学など、多くの学問の研究対象となる「人の移動」
「人の移動」は、
奴隷貿易のように強制的に行われるものもあれば、
新天地を求めて自発的に土地を離れる場合もある。
国家の独立や分離といった政治的な争いも「人の移動」の歴史に大いに関係する。
・現代における「人の移動」
「移民」は、内戦や、気候変動の影響で移住を余儀なくされる人びとばかりではない。
UAEをはじめとする中東諸国の労働力を担う東南アジア出身の未熟練労働者たちや、
ヨーロッパにおける移民は、仕事を求めて自ら移住を選んだ人びとである。
高い専門性を持った人材が国外に出ていってしまう「頭脳流出」の問題を抱えた国もあれば、
フィリピンのように失業率の低下や外貨獲得を目的として、国が「労働力」の輸出を推進するケースもあり、
移住の理由はさまざまである。
世界中の「移民」の歴史とこれからに迫る!
作者 | ロビン コーエン/小巻 靖子 |
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価格 | 2860円 + 税 |
発売元 | 東京書籍 |
発売日 | 2020年05月14日 |
四冊の本とともに、私たちが普段触れることの少ない、人々の生命や文化、希望や挫折を背負ってまっすぐにその道を進み続けた移民たちの真実の歴史に触れることができました。一人ひとりの人生が交錯し、複雑に織りなされた歴史故に、作品ごとに描かれる視点やテーマの違いを楽しむことができます。
ある作品では、厳しい試練にも屈しない彼らの精神を強く感じさせます。また別の作品には、あたたかなユーモラスなエピソードを通じて、彼らひとりひとりの人間臭さが描かれていて、それぞれの色彩が豊かに混じり合って見えてくるでしょう。歴史的背景や社会状況はもちろん、移民という個体の心情や経験がリアルに赤裸々に綴られています。
私たちは、彼らの経験が幅広い人々にとって、決して他人事ではないことを理解する必要があります。異なる文化や価値観が、社会や世界全体を豊かで多様なものにしているのですから。 私たち一人ひとりが、知ることで理解を深め、差異を尊重し、分かち合うことが可能になるのです。
そして何より、これらの作品を手に取ることで、移民の一人ひとりがどんな物語を背負い、そしてどのような未来を描くために奮闘しているか、ぜひ自分自身の目で確かめてみてください。彼らの歴史や想いは、私たちの理解と共感を通して新たな歴史を刻むことができます。
生命を運命を賭けて新世界を望む彼らが、架け橋となり、異なる地の人々が出会い、絆を深めていく。その過程を知れば知るほど、移民は新しい希望の象徴であり、未来への道しるべとさえ言えるのかもしれませんね。皆さまもぜひ、これらの作品を通して、その姿をご自身の目で確かめてみてください。
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