アニメーターの仕事現場を描いた本10選

アニメ業界の裏側を描いた作品は意外と多いですよね。若きアニメーターたちの成長物語や、深夜の制作現場のリアルな描写、アニメーター同士の人間ドラマからビジネスの裏側まで、色々描かれています。中には実際のアニメ制作に携わるプロが監修した作品もあり、そのリアリティは見ごたえ十分。緻密かつ繊細な描写は、アニメ愛の深さを感じさせてくれます。また、作画の知識がなくても楽しめるように、分かりやすく説明されているのも嬉しいポイント。キャラクター達の情熱に触れると応援したくなること間違いなしですよ!コミカルなものからシリアスなものまで、10冊をピックアップしました。さあ、覗いてみましょう。
『アニメーションと国家 戦うキャラクター、動員されるアニメーター』

アニメーターはいかに生まれ、アニメーションはどのように「国民文化」となったのか?
国家の介入によって大きく変化したアニメーション。プロパガンダ作品の分析や日仏の比較だけでなく、聖地巡礼、現在のアニメーターの労働環境、『君たちはどう生きるか』といった現代の事象や作品も扱いながら、アニメーションと戦争、そして国家との関係を捉え直す!
現在、日本では年間300本以上のアニメーション作品が放映されており、その人気は国内にとどまらず、世界中で高い評価を得ている。
1963年に放映された『鉄腕アトム』以降、日本のアニメーション業界は大量生産が可能な体制を確立していく。その原動力となったのが、アニメーション制作における分業体制の導入である。そして、そのなかでも特に重要な役割を担い、大量生産に不可欠だったのが「アニメーター」だった。
この分業体制の確立と、専門職としての「アニメーター」の誕生は、戦時中にさかのぼり、そこで制作されたのはプロパガンダ映画だった。
アニメーションと戦争、そして国家は、きわめて密接な関係にあるといえる。
本書では、戦時期にアニメーションを取り巻く環境がどのように変化したのかを明らかにする。国家の文化政策、アニメーターという職業の誕生、配給システムの変化、そして戦時下に制作された『桃太郎 海の神兵』をはじめとするアニメーション作品の分析を通して、文化がいかに制度化されるか、つまりアニメーションが国民文化となっていく過程を浮き彫りにする。その流れのなかで、アニメーションの日本起源説、かわいい動物キャラクターが生む効果、アニメーションと教育の関係など様々な論点にふれ、より深くアニメーションと日本との関係を捉え直していく。
また、日本の状況だけでなく、戦時下のフランスのアニメーションについても論じるのが本書の特色だ。国家が介入することにより制作体制が確立されるだけでなく、植民地へのまなざしの変化、自国文化の優位性の確保、敵国人の描き方など、日本との共通性を明らかにする。加えて、高畑勲や宮崎駿が影響を受けたフランスの巨匠ポール・グリモーの『やぶにらみの暴君/王と鳥』についても論じ、戦時中から続くアニメーションにおける空間表現の特質を照らし出す。
こうした歴史的視点を踏まえ、戦中戦後の連続性を指摘するだけでなくアニメーションの舞台を巡る「聖地巡礼」や現代のアニメーターの労働状況、宮崎駿の監督最新作『君たちはどう生きるか』といった作品にも言及し、現代におけるアニメーション文化の展開についても考察する。
気鋭の社会学者による、アニメーションや戦時下の文化の研究者だけでなくアニメファンも必読の一冊。
作者 | 雪村まゆみ |
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価格 | 2860円 + 税 |
発売元 | フィルムアート社 |
発売日 | 2025年03月26日 |
『アニメーターの仕事がわかる本』

アニメーターの世界を歩くための ゆるくてシビアな業界入門書
市場規模2兆円に成長したアニメ業界。
しかし、そこで働くアニメーターたちにはいくつもの問題が山積みとなっています。
長時間労働・低賃金、深刻な人手不足、分断されるアナログとデジタル、作画崩壊、放映落ち……。
社会問題にすら発展したアニメーターの働き方と現実を、
人気作画監督・西位輝実の実体験と取材をもとに伝える業界入門書!
インタビューに3名が登場!
入江泰浩(一般社団法人日本アニメーター・演出協会代表理事)
ロマン・トマ(『キャロル&チューズデイ』アートディレクター)
麻生秀一(『メカウデ』TriFスタジオ代表)
▼著者名
西位輝実(著)、餅井アンナ(著)、死後くん(イラスト)
作者 | 西位輝実/餅井アンナ/死後くん |
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価格 | 1760円 + 税 |
発売元 | 玄光社 |
発売日 | 2020年01月06日 |
『アニメがお仕事! 1』

作者 | 石田,敦子 |
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価格 | 不明 |
発売元 | 少年画報社 |
発売日 | 2004年10月 |
『アニメーターの社会学―職業規範と労働問題―』

作者 | 松永伸太朗/著 |
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価格 | 2400円 + 税 |
発売元 | 三重大学出版会 |
発売日 | 2017年08月03日 |
『わが夫はアニメーターである (コミックエッセイ)』

作者 | 見原 由真 |
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価格 | 1188円 + 税 |
発売元 | KADOKAWA |
発売日 | 2023年09月28日 |
『アニメを仕事に! トリガー流アニメ制作進行読本』

制作進行を知れば、アニメがわかる!
50年の歴史を積重ね、週に50本以上の作品が放送されるまでになった、世界一のアニメ大国日本。作品評価やビジネス的価値についての議論は数あれど、その制作工程について詳しく説明がされる機会はありません。本書は、アニメがどのようにして作られているかを、作品制作の全工程に関わる唯一の役職「制作進行」の視点からお伝えします。お届け元は、『キルラキル』、『リトルウィッチアカデミア』等を制作し、アニメファンの気持ちを鷲掴みにしている制作会社TRIGGER。事例に不足はありません。アニメを見るのはもちろん楽しいけど、作るのはもっともっともっと楽しい!(そしてしんどい!)
作者 | 舛本 和也 |
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価格 | 902円 + 税 |
発売元 | 星海社 |
発売日 | 2014年05月23日 |
『アニメの仕事は面白すぎる 絵コンテの鬼・奥田誠治と日本アニメ界のリアル』

「アニメっていうのはこう創ってんだっ!!」
今日も鉛筆を軋ませ、漢(おとこ)は絵コンテを描き続ける!
『鉄腕アトム』『鉄人28号』『宇宙エース』から『NARUTO-ナルト-』『ワンピース』まで、日本のアニメ界黎明期から現在まで最前線でサヴァイヴし続けて57年、約1000作のアニメ作品に関わってきたからこそ語ることができる日本アニメ界のリアル!!
日本のアニメ創世記から現在までアニメ制作に関わり続ける奥田誠治だからこそ書ける、現場からの視点でアニメ制作の現場を記録した「リアルな日本アニメ史」が本書である。
個性豊かなアニメーターのプライベート、意外な裏事情があったアニメ会社の栄枯盛衰、当事者だけが知る作品の裏側など、奥田誠治の自伝でありながら、これまでのアニメ史を覆す資料価値の高い書籍である。また、絵コンテ・原画・監督など奥田誠治が手がけた膨大な作品リストも掲載。日本で最も絵コンテを手がけた「絵コンテの鬼」の圧倒的なボリュームのリストは圧巻!
「クールジャパン」の代表的コンテンツとなった日本のアニメーション。これからもアニメーターや声優を目指す人々は増えると予測される中、アニメ業界の歴史や真実を正しく伝えている文献は少ない。本書はアニメ業界を目指す人たちが増加している現在にこそ、広く読まれるべき書籍であるといえるだろう。
作者 | 奥田誠治/著 |
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価格 | 1800円 + 税 |
発売元 | 出版ワークス |
発売日 | 2019年12月20日 |
『はじめてのアニメーション制作 : チームでつくる、現場がわかる』

作者 | 川辺,真司 小川,博司,-2013 葛岡,博,1950- |
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価格 | 不明 |
発売元 | ナカニシヤ出版 |
発売日 | 2012年01月 |
『アニメはいかに夢を見るか 『スカイ・クロラ』制作現場から』

僕は今、若い人たちに伝えたいことがある『スカイ・クロラ』制作全記録。
作者 | 押井守 |
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価格 | 1760円 + 税 |
発売元 | 岩波書店 |
発売日 | 2008年08月 |
『夢活!なりたい!アニメの仕事 1』

作者 | 代々木アニメーション学院 |
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価格 | 不明 |
発売元 | 汐文社 |
発売日 | 2018年01月 |
それでは、ここまでアニメーターの仕事現場を描いた作品を10選ご紹介させていただきましたが、いかがだったでしょうか。これまで何気なく楽しんできたアニメに込められた制作者たちの情熱や苦労、喜び、そして時には涙などを、こうして洋々たる作品たちから感じ取っていただければ幸いです。そして何より、アニメという一つの芸術形態を作り上げるために、幾多の緻密な作業と創造力が求められ、その全てが絶妙に組み合わさった時に初めてその魅力が最大限に発揮されるという事実を知っていただければと思います。
また、皆さんがこれらの作品を読んで、「なんという世界だろう」「こんな仕事があるんだ」と感じ、興味を持ち、その先に広がる素晴らしいアニメーションの世界への探求の一歩を踏み出していただければとても嬉しい限りです。それがあなた自身が作り手になるきっかけになるかもしれませんし、視聴者としての視野が広がる契機になるかもしれません。
色々なジャンルのアニメがありますが、その一つ一つが制作者たちの手によって生み出された唯一無二の作品であることは忘れてはいけません。それがどんなに小さな作品であっても、それぞれの制作者が心を込めて、そして時には寝食を惜しんで創り上げています。だからこそ、我々視聴者はその作品に惹かれ、感動し、時には人生を見つめ直すきっかけを得ることができるのです。
この記事を通じて、皆さんがこれまでとは違った角度からアニメを見るようになったら嬉しいです。また、これらの作品を通じてアニメーターの世界へ興味を持っていただけたら、それはそれは喜ばしいことです。
それでは、これからもアニメという素晴らしいエンターテイメントを、心から楽しみ、好きでいてくださることを願っています。これからも、皆さんのために、新たな面白い作品を見つけていきたいと思ってます。また、それがどこかで皆さんと繋がり、共有できる何かを生み出すことができたら何よりです。
新しい出会いを求めて、これからもアニメの世界を一緒に見つめていきましょうか。それでは、またどこかでお会いしましょう。
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