ポリコレがテーマの本10選

ポリコレ(ポリティカル・コレクトネス)をテーマにした本は、差別的な表現を避け、全ての人が尊重される社会を目指す思想を学べます。バラエティ豊かな10冊をピックアップしました。ライトなコメディから深い社会派まで、各作品はそれぞれの視点から問題を描き出しています。いくつかは海外作品で、異文化の視点も交え、多様性の大切さを教えてくれます。また、一部の作品では夢や愛、自己肯定感といった普遍的なテーマをポリコレの視点で掘り下げています。少しずつ文化や常識が変わる今だからこそ、新しい視点で物事を考えるきっかけに、ぜひ手に取ってみてくださいね。
『ポリコレの正体 「多様性尊重」「言葉狩り」の先にあるものは』

ポリティカル・コレクトネス(政治的正しさ=ポリコレ)という正義の名のもとに、新たな次元の支配システムが、アメリカを、そしてこの日本を蝕んでいる。
BLM、LGBTQ……「人種差別やジェンダーによる差別をなくし、多様性を認めよ」という掛け声のもと、「新しい正義」が謳われ、その正義の基準に沿わないものは、全メディア総出で、逃げ場なき集団リンチのごとく手酷く批判され、社会的に抹殺される。キャンセル・カルチャーや批判的人種理論が幅を利かせるアメリカ。尻尾を振ってそこを追いかけようとする日本のメディアが、日本を誤った道に連れて行こうとしている。
森喜朗元首相たたきもそうだった。仮に失言はあったにせよ、異様なのは、その後の「全メディア挙げての集団リンチ、吊るし上げ」であり、反論さえ許さぬモンスター的人格攻撃だ。「差別をするな。多様性を認めよ」と叫びながら、その実「自分にとって都合の悪い多様性は一切認めようとせず」「新たな差別を創造する」流れは、今後さらに増加し、極端化し、過激になっていくと思われる。それでいいのか? 防ぐ方法はないのか?
多様性とは、自らと違った立場の意見を尊重し、相互に認め合うことのはずなのに、逆に「不寛容」ばかりが増し、企業も学校も社会も息が詰まっていく。
ポリコレ先進国・アメリカの悲惨さを見よ。非キリスト教徒に配慮するという大義名分のもと、すでに「メリークリスマス」という言葉は奪われ、性差別への配慮として、「お父さん」「お母さん」も公式の場では使えなくなってしまった。カリフォルニアでは、LGBTQに配慮するため、結婚式の際、「夫」とも「妻」とも言えないのだ。狂気だ。
日本は1日も早く先行するアメリカの過ちに気づき、本当の自由と平等を取り戻す努力を始めなければいけない。「機会の平等」でなく、「結果における平等」を保証することは、「新たな不平等を創造」するだけ。そこには絶望しかない。
今や、日本の学校では「あだ名」をつける事さえ、一律に禁止されようとしている。
「言葉狩り」や「#MeToo」、「マスク警察」や「ワクチン警察」、「お母さん食堂」へのいちゃもんなどに代表される動きが、今後さらにエスカレートし、モンスター化し、一方的なレッテル貼りをすることで、人々のつながりが分断され、冤罪事件を生んだり、暴力や殺人など、新しい深刻な差別を生む日も遠くないのでは、と不安を感じている人も多いように感じられる。
忠実で丹念な取材力を基本に、多くのノンフィクション作品で高い評価を得てきた著者が、「ポリコレ」という新たな敵の正体を見出し、追い詰めていく。
現状のまま進めば、日本もジョージ・オーウェルの『1984年』のような全体主義管理社会というディストピアにどんどん近づいていく。
なんとかそれを阻止したいとの強い思いが本書を書かせた。
作者 | 福田ますみ |
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価格 | 1540円 + 税 |
発売元 | 方丈社 |
発売日 | 2021年12月01日 |
『ポリティカル・コレクトネスからどこへ』

誰もが手軽に表現するSNS普及後の世界で、人文・社会分野の研究者の視点はどのように活かせるのか。ジェンダーとフェミニズム、セクシュアリティとクィア、障害と社会モデル、エスニシティと社会的な望ましさなど、私たちが生きる現代社会の不均衡を知り、別のありかたへ。
序 章 ポリティカル・コレクトネスをめぐる論点
第1章 クイア・ポリティクスとポリティカル・コレクトネス
第2章 「次善の策」としてのポリティカル・コレクトネス
第3章 バックラッシュ/キャンセルカルチャーと法整備の必要性
第4章 「思いやり」から権利保障へ
第5章 マジョリティ性をどのように考えられるか
第6章 「社会的な望ましさ」をめぐるコミュニケーションとしてのPC
終 章 「正しさ」や「望ましさ」について議論を続ける
作者 | 清水 晶子/ハン トンヒョン/飯野 由里子 |
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価格 | 1980円 + 税 |
発売元 | 有斐閣 |
発売日 | 2022年09月06日 |
『欲望会議 : 性とポリコレの哲学』

作者 | 千葉,雅也 二村,ヒトシ,1964- 柴田,英里,1984- |
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価格 | 不明 |
発売元 | KADOKAWA |
発売日 | 2021年12月 |
『ポリコレ過剰社会』

作者 | 小浜,逸郎,1947- |
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価格 | 不明 |
発売元 | 扶桑社 (発売) |
発売日 | 2022年01月 |
『ユートピアズポリティカル・コレクトネス版』

作者 | うめざわ,しゅん |
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価格 | 不明 |
発売元 | 小学館 |
発売日 | 2023年03月 |
『ポリコレの正体』

作者 | 福田ますみ |
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価格 | 1386円 + 税 |
発売元 | 方丈社 |
発売日 | 2021年12月10日 |
『欲望会議 「超」ポリコレ宣言』

エロ、暴力、心の傷、ホラー、ゾーニング、変態、炎上、#MeToo、身体、無意識……
「欲望」をテーマにこの世界を読み解けば、未来の絶望と希望が見えてくるーー。
「現代人は、かつての、つまり二〇世紀までの人間から、何か深いレベルでの変化を遂げつつあるのではないか、というのが本書の仮説なのです。」-「序」より
【目次】
序
第1章 傷つきという快楽
第2章 あらゆる人間は変態である
第3章 普通のセックスって何ですか?
第4章 失われた身体を求めて
終 章 魂の強さということ
序
第1章 傷つきという快楽
少女マンガという恋愛ポルノ/SNSの柴田さんは欲望を映し出す鏡/ホラーとポルノの並行性/イキすぎて怖い/受け身的自己破壊/オーガズムはポストトゥルース/社会彫刻としての「炎上」/ろくでなし子批判の背景にあるもの/ジェンダー本質主義とジェンダー構築主義/ゾーニングとマイノリティの欲望/『マッドマックス』とフェミニズム/傷つきという快楽
第2章 あらゆる人間は変態である
『ゆらぎ荘の幽奈さん』問題をめぐって/エロティシズムと偶然性/ポルノと原発/権力とエロス/「愛のあるセックスがエロい」と言い続けたい/欲望は男女二元論で語れない/プライバシーをどう考えるか/料理漫画のオーガズム/人体改造のエロさ/ハラスメントをどう考えるか/あらゆる人間は変態である/性暴力に対する批判
第3章 普通のセックスって何ですか?
#MeTooをどう考えるか/『デトロイト』と『スリー・ビルボード』/もうエロいAVは撮れない/祝祭の日常化/戦闘民族としてのフェミニスト/サイコパスとの交換可能性/サイコパスとの交換可能性/普通のセックス?/アンチソーシャル・セオリーのゆくえ/不愉快による禁止の怖さ/社会的包摂への違和感
第4章 失われた身体を求めて
ポリティカル・コレクトネスによる表象批判/変身する勇気がないと、傷つきから回復できない/性自認が本当の性か?/「私は不幸です」と簡単に言えるようになった/「強くなれ」と言えない時代/同性愛とペドフィリア/ゾーニングの本質/エロティック・キャピタルをどう考えるか/デフォルト状態の偏り/ネガティブな経験による享楽/エンターテインメントのゆくえ/当たり前の相対主義を言わなければけない/身体の喪失
終 章 魂の強さということ
「ペドフィリア=絶対悪」が表すもの/未来を複数化する/禁じられるとよりヤバくなる/傷の交換/毒のある場所をどこに残すか/グローバル資本主義とポリコレ/魂の強さ/もっと引きこもれ
作者 | 千葉 雅也/二村 ヒトシ/柴田 英里 |
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価格 | 1760円 + 税 |
発売元 | KADOKAWA |
発売日 | 2018年12月21日 |
『大衆の狂気 : ジェンダー・人種・アイデンティティ』

作者 | Murray,Douglas,1979- 山田,美明,1968- |
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価格 | 不明 |
発売元 | 徳間書店 |
発売日 | 2022年03月 |
『傷つきやすいアメリカの大学生たち 大学と若者をダメにする「善意」と「誤った信念」の正体』

暴力を伴う講演妨害、教授を糾弾し罵倒……
キャンセルカルチャーやポリコレ問題の背景を知るための必読書。
全米ベストセラー、待望の邦訳!
〈内容より〉
「不快」を理由とする講演妨害が横行
言葉尻を捉えて教員を糾弾、辞職へ追い込む
大学教員の政治的多様性が低下。左に偏向
未熟で脆弱、不安・うつが多い「Z世代」
親はすべてを危険と捉え過保護に育ててきた
大学が極端な市場重視に。学生はお客様扱い
立場の異なる論者の講演に対し、破壊と暴力をともなう激しい妨害を行う学生たち。
教員の発言の言葉尻を捉えて糾弾し、辞任を求める激しいデモを展開。
さらには教授や学部長、学長までを軟禁し、暴言を浴びせるーー。
アメリカの大学で吹き荒れるこれら異常事態の嵐は、Z世代の入学とともに始まった。
彼らはなぜ、そのような暴挙を振るうのか?
言論の自由・学問の自由を揺るがす現象の実態と背景、
さらには対策までを示して高く評価された全米ベストセラーがついに邦訳。
キャンセルカルチャー、ポリティカル・コレクトネス(ポリコレ)問題を知るための必読書。
作者 | ジョナサン・ハイト/グレッグ・ルキアノフ/西川 由紀子 |
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価格 | 3080円 + 税 |
発売元 | 草思社 |
発売日 | 2022年11月30日 |
『ただしさに殺されないために 声なき者への社会論』

多様性の名のもとに排除し、自由、平等を謳って差別する美しい社会の闇の底へーことばを奪われた人びとの声なき叫びを記す30篇。社会を引き裂く事件の背後に何があるのか。ただしさと承認をめぐる闘争が日常と化したSNS時代に宿る“狂気”を解き明かす。
作者 | 御田寺 圭 |
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価格 | 2200円 + 税 |
発売元 | 大和書房 |
発売日 | 2022年05月12日 |
ここまで、ポリコレをテーマにした様々な作品をご紹介して参りました。それぞれが描き出すポリティカル・コレクトネスの問題は一概に良し悪しを決めつけられないほど奥が深く、その多様性や個性が読者に多くの気づきや見方を提供してくれることでしょう。
これらの作品を通して、さまざまな背景や状況を持つ人たちが何を考え、どう行動するのか見ることは、自分の視野や認識を広げ、人として成長するための一助となるはずです。一方で、差別やひとまとめにすることの危険性を痛感させられ、我々の思考や行動にも影響を及ぼすでしょう。
また、こうした問題について考えることは決して簡単ではありません。それぞれユニークな視点でポリコレを描いている作品を読み、自分なりの考えを深めることで、モノの見方や自身の価値観が徐々に変わっていくことを実感するでしょう。
しかし、最も重要なのは、これらの作品が人々の心に深く響き、社会問題への理解や共感を深めるきっかけになればうれしいということです。これまでにない視点から自分たちの岐路に立つ社会を見つめ直すことで、私たち自身が成長し、社会の一員としての責任感を持つきっかけになることを期待します。
それらを体感してみてください。そして、得られた知見や感想を他人とシェアすることで、より深い議論が生まれることでしょう。あなた自身がこの社会に与えられる「オピニオンリーダー」になることを願っています。
以上が私の一押しするポリコレがテーマの10選です。どれも重みのあるテーマを、どこかしら共感できる形で描き出しています。読むことで新しい視点を持つことができるでしょう。ただし、読むだけでなく、自分自身の考えを深め、これを社会に発信するアクションを起こしてもらえるとうれしいですね。今後とも、多様性に満ちた素晴らしい作品と皆さんの刺激的な意見交換に期待しています。
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