現象学の本・入門書 おすすめ6選

現象学に興味を持つあなたに、ぜひ手にとっていただきたい6冊の本をご紹介します。一冊目は初心者でも取り組み易いわかりやすい解説書。二冊目は人間の感じ方や認識にフォーカスした一冊で、深い洞察で思考を広げます。三冊目は現象学の基礎から応用までをざっくりと学ぶことが出来ます。四冊目は哲学者が送る現象学の世界を豊かな言葉で描いた名著。五冊目は少し難易度が上がりますが、細部まで解析された本格的な一冊です。最後の六冊目は学問としての現象学の魅力を存分に感じられる一冊となっています。どれも心を揺さぶる作品ばかりですよ。
『現象学ことはじめ : 日常に目覚めること』

作者 | 山口,一郎,1947- |
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価格 | 不明 |
発売元 | 白桃書房 |
発売日 | 2023年12月 |
『現象学入門 新しい心の科学と哲学のために』

フッサールから現代の身体性認知科学へーー現象学という思想的潮流は心の科学とどう結びついて展開してきたのか。歴史と展望を示す。
独特の専門用語や論述の難解さで知られる現象学を、英語圏の哲学に特徴的な明晰な論述スタイルで解説。現象学の中心的なテーマは今日の身体性認知科学にこそ最も鮮明に受け継がれている、という独自の観点から、心理学や認知科学との関係に重点を置いて現象学の歴史と現代の展開を描き、その魅力と可能性をわかりやすく生き生きと示す。
謝辞
序
第1章 カントとヴント──18世紀と19世紀の背景
1.1 カントの批判哲学
1.2 ヴィルヘルム・ヴントと科学的心理学の興隆
第2章 エトムント・フッサールと超越論的現象学
2.1 超越論的現象学
2.2 ブレンターノ
2.3 論理学と心理学のあいだ
2.4 イデーン
2.5 時間意識の現象学
第3章 マルティン・ハイデガーと実存的現象学
3.1 日常的世界の理解可能性
3.2 デカルトと事物存在性
3.3 世界内存在
3.4 他者との共存在と世人
3.5 実存的な自己の概念
3.6 死、責め、本来性
第4章 ゲシュタルト心理学
4.1 ゲシュタルト学派による原子論的心理学への批判
4.2 知覚と環境
4.3 ゲシュタルト心理学の影響
第5章 モーリス・メルロ=ポンティ──身体と知覚
5.1 『知覚の現象学』
5.2 現象学、心理学、現象野
5.3 生きられた身体
5.4 知覚の恒常性と自然的対象
第6章 ジャン=ポール・サルトル──現象学的実存主義
6.1 サルトルによる自己の存在論
6.2 不安、前反省的自己、自己欺瞞
6.3 身体と知覚にかんするサルトルの見解
6.4 その他の現象学──ボーヴォワール、ヤング、アルコフ
第7章 ジェームズ・J・ギブソンと生態心理学
7.1 ウィリアム・ジェームズ、機能主義、根本的経験論
7.2 ギブソンの初期の仕事──二つの例
7.3 生態学的アプローチ
7.4 生態学的存在論
7.5 アフォーダンスとインビテーション
第8章 ヒューバート・ドレイファスと認知主義への現象学的批判
8.1 認知革命と認知科学
8.2 「錬金術と人工知能」
8.3 『コンピュータには何ができないか』
8.4 ハイデガー的人工知能
第9章 現象学的認知科学
9.1 フレーム問題
9.2 急進的身体性認知科学
9.3 ダイナミカルシステム理論
9.4 ハイデガー的認知科学
9.5 エナクティヴィズム
9.6 感覚運動アプローチ
9.7 科学的現象学の将来
参考文献
訳者解説[田中彰吾・宮原克典]
索引
作者 | ステファン・コイファー/アントニー・チェメロ/田中 彰吾/宮原 克典 |
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価格 | 3630円 + 税 |
発売元 | 勁草書房 |
発売日 | 2018年07月31日 |
『現象学入門』

作者 | 竹田,青嗣,1947- |
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価格 | 不明 |
発売元 | 日本放送出版協会 |
発売日 | 1989年06月 |
『初学者のための現象学』

作者 | Zahavi,Dan,1967- 中村,拓也,1976- |
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価格 | 不明 |
発売元 | 晃洋書房 |
発売日 | 2015年04月 |
『これが現象学だ』

現代哲学の大きな潮流をなす現象学とはそもそも何なのか。空虚になった学問の危機を克服し、人間の直接経験から出発して世界に至る思想の全貌を解説!
あなたと私が現象学だーー現象学の具体的な内容に踏み込む前に、フッサールが好んだ言葉を2つ引いておきたい。ひとつは「自分自身で考える人」(Selbstdenker)という言葉であり、この言葉で、フッサールは自分が尊敬する哲学者を称賛した。もうひとつは「ともに哲学する」(synphilosophein)という言葉であり、この言葉で、フッサールは自分が仲間だと思う人々に呼びかけた。「自分自身で……」と「ともに……」という2つの言葉は、一見すると、互いに矛盾するように思われるかもしれない。ところが、そうではない。
……彼は1916年にフライブルク大学に移り、そこで若きハイデガーと出会った。しばらくしてフッサールはハイデガーの哲学的・現象学的な素質の大きさに気づく。彼は真に「ともに哲学する」パートナーを見つけたと信じた。彼はハイデガーに言った。「あなたと私が現象学だ」--本書・
●あなたと私が現象学だ
●現象学の誕生
●現象学の学問論
●直接経験とは何か
コーヒーブレイクーー日本語の数詞と助数詞
コーヒーブレイクーー名探偵の個体論
●世界の発生と現象学
●時間と空間の原構造
●他者の現象学
コーヒーブレイクーー超越論的自我は自転車に乗れるか
(抜粋)
作者 | 谷 徹 |
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価格 | 1078円 + 税 |
発売元 | 講談社 |
発売日 | 2002年11月15日 |
『現象学という思考 〈自明なもの〉の知へ』

日常においてはいつも素通りされている豊かな経験の世界があるー。“自明”であるがゆえに眼を向けられることのないこの経験の世界を現象学は精査し、われわれにとっての「現実」が成立する構造を明るみに出す。創始者フッサール以来続く哲学的営為の核心にあるものは何か。そしていまだ汲みつくせないその可能性とは。本書は粘り強い思索の手触りとともに、読者を生と世界を見つけなおす新たな思考へと誘う。
作者 | 田口茂 |
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価格 | 1870円 + 税 |
発売元 | 筑摩書房 |
発売日 | 2014年12月11日 |
以上、各々異なるアプローチで現象学を解きびらかしてくれる6つの一冊をご紹介しました。どの本も、哲学や現象学に新たな視点を提供してくれるでしょう。初めて現象学に触れる方からすでに深い知識を持つ方まで、幅広い読者に対応した内容になっています。そして、どの本も、ただ理論を語るだけではなく、現象学がどのように我々の日常生活や思考に影響を与えるかという実践面にも焦点をあてています。
私たちの認識や経験がどのように構築されているのか、私たちが世界をどのように理解しているのか。そうした問いに深く切り込んでくれる現象学は、今もなお新たな視点を提供し続けています。これらの本を読むことで、普段何気なく過ごしている日常について、新たな視点から考えてみるきっかけになると思います。
読者の皆さんにとって、これらの本が何か新しい発見や理解をもたらし、そして哲学的な洞察を深める手助けになれば幸いです。現象学は、日常生活の中で私たちがどのように世界を「経験」し、「認識」するのかを問い続ける学問です。この興味深い世界をどうぞ存分に楽しんでみてくださいね。
最後に、本の選び方一つにもその人の性格や価値観が表れます。多くの選択肢から自分に合った一冊を見つけ出す旅は、自己探求の一環でもあります。この記事が皆さまのそんな探求の一助となれば、これ以上の喜びはありません。良き読書ライフをお過ごしくださいませ。
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