佐藤厚志(宮城県出身、芥川賞受賞)の小説

佐藤厚志さんの小説は、宮城県出身ということもあり、東北の風土や人々の暮らしが繊細に描かれています。精緻な心理描写とリアルな描写力で読者を引き込む佐藤さんの作品は、毎回読了後も感じたことや考えたことが心に残る一冊となっています。特に、個々の登場人物の思いを丁寧に描くスタイルは、複雑な人間の心情や感情を理解しやすく、作品の中に深く没入させてくれます。芥川賞受賞の作家だけあって、文章の美しさも格別。あたたかさと厳しさを併せ持つこの作風は、きっとあなたの心に何かを残してくれるはずですよ。
『荒地の家族』

あの災厄から十年余り、男はその地を彷徨いつづけた。第168回芥川賞候補作。元の生活に戻りたいと人が言う時の「元」とはいつの時点かーー。40歳の植木職人・坂井祐治は、あの災厄の二年後に妻を病気で喪い、仕事道具もさらわれ苦しい日々を過ごす。地元の友人も、くすぶった境遇には変わりない。誰もが何かを失い、元の生活には決して戻らない。仙台在住の書店員作家が描く、止むことのない渇きと痛み。
作者 | 佐藤 厚志 |
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価格 | 1870円 + 税 |
発売元 | 新潮社 |
発売日 | 2023年01月19日 |
『象の皮膚』

皮膚が自分自身だったーー。痒みに支配された女性の生きづらさを描く三島賞候補作。肌を見られたくない、でもこの苦しみを知って欲しい。五十嵐凜、非正規書店員6年目。アトピーの痒みにも変な客にも負けず、今日も私は心を自動販売機にして働く。そこに起こった東日本大震災。本を求める人々。彼女はそのとき、人間の本性を目撃する。現役書店員が描く、圧倒的リアリティで各紙絶賛の話題作。
作者 | 佐藤 厚志 |
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価格 | 1650円 + 税 |
発売元 | 新潮社 |
発売日 | 2021年06月28日 |
『常盤団地の魔人』

団地の僕たちは、どうしてあんなにバカで痛くてゴキゲンだったんだろう。今野蓮は喘息持ちの小学生。三年生にあがると友だちができ、やがて悪ガキ軍団に組み込まれていく。宿敵・管理人との対決、雑木林のひょうたん池の謎、捨て犬失踪事件、テレビゲーム禁止令……。誰もが経験した小さな冒険を経て、気弱な少年は成長していく。『荒地の家族』で芥川賞を受賞した期待の新鋭による受賞後第一作。
作者 | 佐藤 厚志 |
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価格 | 1870円 + 税 |
発売元 | 新潮社 |
発売日 | 2024年07月31日 |
佐藤厚志さんの作品を読んでみた感想を一言で言うとすれば、「深い」と言う言葉がぴったりと合うと思います。彼の作品を手に取って読んでみると、一見、日常の些細な出来事が描かれているように思えます。しかし、それらの出来事の裏に潜む心理や社会への洞察、ときには人間の哲学までを巧みに描き出しています。おそらく、佐藤さんの作品の魅力は、その世界に深く貫かれる「普遍」なのではないでしょうか。
一見すると深淵に見える彼の作品ですが、登場人物たちの心情や背景が丁寧に描かれているので、それほど難解と感じることはありません。また絶妙な描写力と、屈託がない豊かな言葉の選び方が、読者を佐藤さんの世界観に引き込んでしまいます。
そして何よりも、佐藤さんの作品の特徴と言えば、その地元である宮城県の風景が舞台となっていることです。地元の風景を知り尽くしたからこそ、その緻密さと、ひとつひとつの描写の美しさが伝わってきます。まるで宮城県を歩いているかのような感覚になり、思わずその風景に魅了されてしまいます。
芥川賞を受賞するほどの実力を持ちながら、決して自身を過剰にアピールすることなく、静かにその才能を発揮している佐藤厚志さん。彼の作品を読むと、自分自身の心の中にある何かを垣間見ることができるかもしれません。読み終えた後には、必ず何かを感じていただけることでしょう。
これからも佐藤さんの作品から目が離せないでしょうね。これから読む方々にとっても、そんな素敵な体験ができることを心から願っています。これからが楽しみな作家さんの一人です。
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