瀬戸内の風景が思い浮かぶ小説5選

日本の美しい風景を思い浮かべるとき、多くの人が思い描くのが瀬戸内海の風景かもしれません。その美しさと穏やかさは、数多くの作家を魅了し、素晴らしい小説を生むきっかけになりました。今回は、そんな瀬戸内の風景が印象的に描かれている5つの小説をピックアップしました。文豪の名作から新進作家の秀作まで、バラエティ豊かなラインナップです。中には、瀬戸内の対岸から島々を望む情景を描いた作品もあります。また、舞台を瀬戸内の小さな漁村にした作品では、地元の人々の暮らしや思いが繊細に綴られています。これらの作品を読むことで、瀬戸内の風と波の音、潮の香りまで感じることができるでしょう。
『海とジイ』

最期を見据えた生き様から光を得る人生賛歌
舞台は、美しくもありときに恐ろしい顔を見せる海と島。3人のおじいさん=ジイの生き抜く姿と,そのジイから思いを受け取る人々の心模様をときに温かく、ときにいきいきと、ときに静かな筆致で描ききります。全3編の物語。
●海神〜わだつみ
いじめが原因で不登校になった小学四年生の優生。ある日、瀬戸内の島に暮らす曾祖父を訪ねることになる。死期が近いはずの曾祖父・清次は、病人とは思えないほど元気に優生らを案内し、饒舌に振る舞う。その後入院となった曾祖父と優生が交わした二人だけの約束とは……。
●夕凪〜ゆうなぎ
70代後半の老医師とそのクリニックに20年以上勤め、支え続けてきた48歳看護師の女性。ある日、クリニックを閉院すると宣言した後老医師が失踪する。必死で探す看護師の女性が行き着いたのは瀬戸内の島。もう戻らない、と告げる老医師の覚悟とは。静謐でほのかに温もる大人の慕情。
●波光〜はこう
すべてを陸上競技に捧げてきたが、怪我により人生どん底になってしまった澪二。試験を前に逃げるように子供の頃訪れていた島にある祖父の家へ。石の博物館のリニューアルオープンの準備を手伝ううちに、今まで知り得なかった祖父の青春時代、親友、そして唯一の後悔を聞き……。
【編集担当からのおすすめ情報】
藤岡陽子さんは、おじいさんを描かせたら日本一の作家と思っております!
小説のキーである「海」と「おじいさん=ジイ」をテーマに、誰にも必ず来る最期までを「生き抜く」人間の姿を描いていただきました。
三人三様のジイの生き様。ジイたちは悲しみ、悔恨を抱えながらも生き抜いてきた年月の分だけ強く、その強さを周囲の人々に分け与えてくれます。
読んでくださった方々の心に、温かな希望が灯る一冊となりました。
そして、文庫化にあたり、解説を担当してくださったのは絵本、児童文学の大ベストセラー作家、きむらゆういち氏。独自の目線で、この作品の魅力を伝え、『ベストセラー絵本のように長く読み継がれるべき作品』と語ってくれています。この巻末解説原稿も、必読です。
目次
海神 わだつみ
夕凪 ゆうなぎ
波光 はこう
<解説>長く読みつがれていく作品 きむらゆういち
作者 | 藤岡 陽子 |
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価格 | 638円 + 税 |
発売元 | 小学館 |
発売日 | 2022年09月06日 |
『島はぼくらと』

この島の別れの言葉は「行ってきます」。きっと「おかえり」が待っているから。 瀬戸内海に浮かぶ島、冴島。朱里、衣花、源樹、新の四人は島の唯一の同級生。フェリーで本土の高校に通う彼らは卒業と同時に島を出る。ある日、四人は冴島に「幻の脚本」を探しにきたという見知らぬ青年に声をかけられる。淡い恋と友情、大人たちの覚悟。旅立ちの日はもうすぐ。別れるときは笑顔でいよう。
17歳。卒業までは一緒にいよう。
この島の別れの言葉は「行ってきます」。
きっと「おかえり」が待っているから。
瀬戸内海に浮かぶ島、冴島。朱里、衣花、源樹、新の四人は島の唯一の同級生。フェリーで本土の高校に通う彼らは卒業と同時に島を出る。ある日、四人は冴島に「幻の脚本」を探しにきたという見知らぬ青年に声をかけられる。淡い恋と友情、大人たちの覚悟。旅立ちの日はもうすぐ。別れるときは笑顔でいよう。
大人も子供も一生青春宣言!辻村深月の新たな代表作。
I
II
III
IV
作者 | 辻村 深月 |
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価格 | 847円 + 税 |
発売元 | 講談社 |
発売日 | 2016年07月15日 |
『ひきなみ (角川文庫)』

作者 | 千早 茜 |
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価格 | 841円 + 税 |
発売元 | KADOKAWA |
発売日 | 2024年07月25日 |
『汝、星のごとく』

作者 | 凪良ゆう |
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価格 | 1705円 + 税 |
発売元 | 講談社 |
発売日 | 2022年08月03日 |
『ライオンのおやつ』

人生の最後に食べたいおやつは何ですかーー
若くして余命を告げられた主人公の雫は、瀬戸内の島のホスピスで残りの日々を過ごすことを決め、穏やかな景色のなか、本当にしたかったことを考える。
ホスピスでは、毎週日曜日、入居者がリクエストできる「おやつの時間」があるのだが、雫はなかなか選べずにいた。
ーー食べて、生きて、この世から旅立つ。
すべての人にいつか訪れることをあたたかく描き出す、今が愛おしくなる物語。
2020年本屋大賞第2位。
作者 | 小川 糸 |
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価格 | 792円 + 税 |
発売元 | ポプラ社 |
発売日 | 2022年10月06日 |
それぞれの作品を読み進めるたびに、息をのむような美しい瀬戸内の風景が広がりました。暖かな日差しを浴びた海はエメラルドグリーンに輝き、潮風がゆるやかに流れてくる。舞い散る桜の花びら、夕日が映える港町、遥か彼方に広がる雄大な海原….それぞれの風景が織りなす独特の雰囲気は、まるで美しい一枚の絵画のようです。
その土地ならではの暮らしや風習、人々の生活の営みが描かれることで、私たちはただ風景を眺めるだけでなく、その地の魅力を五感で感じることができます。文字を通じて感じる海風や地元の特産品の香り、さらには対話から伝わる人々の温かさや日常の様子は、まるで瀬戸内に訪れているかのような錯覚を覚えることでしょう。
また、物語性もしっかりと描かれており、各作品ごとに異なるテーマが掘り下げられています。人間の生きざまや感情、人間関係の複雑さなど、瀬戸内の風景とともに描かれるストーリーは、読者へ多くの感動や考えるきっかけを提供します。その一方で、日常や人々の生活を通じて、地元の人々のありのままの姿や瀬戸内の真髄も垣間見ることができるでしょう。
まるで旅行をしているかのような気分を味わいながら、瀬戸内の魅力をたっぷりと満喫できる小説たち。瀬戸内を訪れたことがある方はその風情を思い出し、まだ訪れたことのない方はその風景を知るきっかけとなることでしょう。もし、あなたが新たな発見や感動を求めているなら、ぜひこの機会に手に取ってみてください。きっと、美しい風景と共に心に残る物語が待っているはずです。
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