アイルランドの文学作品、オススメ4選

アイルランド出身の作家は、どこかミステリアスで深遠な響きを持つ物語を紡ぎます。それは、まるで緑豊かな風景の中で語られる古い伝説のよう。ダークで複雑な人間関係を描きつつも、純粋で美しい愛情表現に心打たれる作品ばかりです。また、選りすぐりの4作品の中には、キャラクターの精神世界を描いた壮大な一冊も。何度読み返しても、その深みにはまるで底がないよう。また、社会の暗部を浮き彫りにする痛烈さも、作家たちの独特の視点が光ります。アイルランド文学の持つ、神秘性とリアリティの対比が魅力です。
『ドリアン・グレイの肖像』

作者 | Wilde,Oscar,1854-1900 富士川,義之,1938- |
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価格 | 不明 |
発売元 | 岩波書店 |
発売日 | 2019年09月 |
『ガリバー旅行記』

1726年にロンドンで刊行された『ガリバー旅行記』は、アイルランド出身の聖職者でジャーナリストのジョナサン・スウィフトが書いた4部構成の諷刺小説です。現在にいたる300年のあいだ、世界中の子どもと大人に読み継がれてきました。次々と起きる出来事、たっぷりの諷刺、理屈抜きの面白さ!本書は定評と実力をそなえた米文学者の柴田元幸が、「お茶の間に届くこと」を意識して、朝日新聞に好評連載した翻訳の書籍化です。夏目漱石は『ガリバー旅行記』の諷刺の特質を論じて「古今の傑作」と高く評価し(『文学評論』「スウィフトと厭世文学」)、20日世紀の傑作諷刺小説『動物農場』や『一九八四年』を描いたジョージ・オーウェルも「飽きることなどまずあり得ない本」と賞賛しました(「政治対文学ーー『ガリヴァー旅行記』論考」)。物語は嵐にあって船が難破、必死に泳いで辿り着いた島が小人国のリリパット。そして次には巨人国のブロブディングナグ、空飛ぶ島のラプータ、支配される島のバルニバービ、フウイヌムと呼ばれる馬たちが暮らす理想郷へと……4部構成で縦横無尽にすすみゆきます。訳者解説では『ガリバー旅行記』の出たとこ勝負で縦横無尽に進んでいくストーリの面白さの特質が分析されています。作品を創造的に描きこんで連載時より好評を博した挿絵の平松麻による口絵4頁つき。◯目次出版者から読者へ 第1部・リリパット国渡航記 第2部・ブロブディングナグ国渡航記 第3部・ラプータ、バルニバービ、ラグナグ、グラブダブドリブ、日本渡航記 第4部・フウイヌム国渡航記 ガリバー船長から縁者シンプソンへの手紙 告 解説
作者 | ジョナサン・スウィフト/柴田元幸 |
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価格 | 2200円 + 税 |
発売元 | 朝日新聞出版 |
発売日 | 2022年10月07日 |
『』

作者 | |
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価格 | 不明 |
発売元 | |
発売日 |
『黒い蜻蛉 小説 小泉八雲』

『怪談』『知られぬ日本の面影』『日本ーー一つの試論』。日本人も気づいていなかった日本文化の魅力・価値に気づき、世界に広めた人物、小泉八雲。自身の生い立ちに由来するコンプレックス、葛藤にもがいていた「ラフカディオ・ハーン」は、諸国遍歴のすえに日本へ渡り、日本人の生き方や文化、そして妻となる女性、小泉セツに出会う。日本人「小泉八雲」となった彼の人生は、ヤゴが羽化してトンボとなって飛び立つがごとく変わっていくーー。アイルランド出身の著者が描く、空想と史実が織りなす魂の伝記小説。
本書は、アイルランド出身の脚本家、ジーン・パスリー氏が 2021 年に刊行した長編小説、“Black Dragonfly”の日本語翻訳版。
主人公は「雪女」「耳なし芳一」「ろくろ首」など、日本に古くから伝わる民話・伝承を再話した『怪談』を出版し、日本の文化を世界に紹介した人物、小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)。物語はハーンの幼少期からはじまり、アイルランド人とギリシャ人の血をひく彼は、その出自や外見、幼いころに両親と生き別れた経験などから、つねに劣等感と孤独感を抱えていた。世界各地を経巡ったハーンが新たな居場所を求めて渡ったのが、明治期の日本だった。仏教や神道、精霊信仰、先祖崇拝といった日本の精神文化に触れるハーン。松江への旅、英語教師として学生たちと過ごす日々、元士族の娘・小泉セツとの結婚、息子一雄の誕生、日本への帰化と改名ーー。〈日本〉との出会いによって、その人生と人生観は大きく変わっていく。
小泉八雲の生涯を描いた唯一の邦訳小説である本書は、史実と仮構を織り交ぜることで、一人の人間としての小泉八雲を浮き彫りにする。母への思慕や過去の後悔、自己存在への葛藤を抱えながらも、人生の歩みを進めていくハーンの人生が、「〈自分〉を引き受けて生きていくとはどういうことか」を、わたしたちに投げかける。
翻訳は、『さかさ町』『イワンの馬鹿』『キプリング童話集』など、児童文学の翻訳をおもに手掛ける小宮由氏が担い、50 余年のハーンの生涯に寄り添って訳出。小泉八雲没後 120 年、『怪談』出版 120 年の節目である 2024 年、『黒い蜻蛉ーー小説 小泉八雲ーー』として発刊する。
作者 | ジーン・パスリー/小宮由 |
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価格 | 2750円 + 税 |
発売元 | 佼成出版社 |
発売日 | 2024年08月27日 |
今回はアイルランドの魅力溢れる4つの作品を紹介させていただきました。それぞれ違った角度から、アイルランドの風土や人々、歴史を描いています。どの作品にも、その地の独特な文化や美しい風景、そして人々の生き様が色濃く反映されており、読んでいるだけでまるで旅行にでも出かけたような感覚になれると思います。
それぞれの作品には登場人物たちの心情や当時の社会状況がリアルに描写されているので、ただ物語を楽しむだけでなく、アイルランドの歴史や文化を深く理解することもできます。ハードルは高いかもしれませんが、ここに紹介した作品を通じてアイルランド文学に興味を持っていただけると嬉しいです。
また、時代背景や言葉遣い、作品のテーマなどが日本の物とは異なる場合もありますが、それが逆に新しい視点をもたらし、自分自身の世界を広げるきっかけになるかもしれません。
文学はその土地の歴史や背景、人々の生活や心情などを深く描写するため、観光地を訪れるよりもリアルで深い理解を得ることができます。この素晴らしいアイルランドの文学作品を通じて、普段とは異なる視点や感動、新しい洞察を得られることを心から願っています。
ぜひ、一冊でも手に取って、その魅力を堪能してみてはいかがでしょうか。今回紹介した作品たちが、皆さんの読書の旅をさらに豊かで楽しいものにしてくれることを期待しています。
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