今こそ読みたい全体主義の起源

全体主義の起源に焦点を当てたこの一冊は、一体どうして人々は全体主義に引き込まれていくのか、その心理を掘り下げています。個々人の名前や顔が抹消され、個を重んじる自由が確かに脅かされる時代背景が見事に描かれていて、文字を追うごとに読む者の息も引き絞られるでしょう。その中で小さな抵抗を試みる登場人物たちの姿は、読者を勇気づけると同時に、全体主義の怖さを鮮明に照らします。歴史を知ることで未来を紐解くことができるというメッセージと共に、一読をおすすめします。どうぞ手に取って、その胸に迫る感情を体験してみてください。
『全体主義の起原 1【新版】 反ユダヤ主義』

〈反ユダヤ主義(たんなるユダヤ人憎悪ではなく)、帝国主義(たんなる征服ではなく)、全体主義(たんなる独裁ではなく)がーー次から次へと、より残酷なかたちでーー示したのは、人間の尊厳が、新しい政治原理、新しい地上の法においてのみ見出されうる新しい保証を必要とするということである。その有効性は今度こそは人類全体を包括する一方で、その力は厳密に限定され、新しく定義された領域的なものに根をおろし、それによって制御されなければならない〉
20世紀の中心に生じた「伝統の崩壊」、すなわち強制収容所・絶滅収容所という「地獄」という現実の出来事を、どうすれば理解することができるのか。厖大な文献を読み込み、じっくり考え、理解しようとする営為から、本書は生まれた。
国家や法という伝統、さらには人間の本質まで破壊した全体主義への道筋とシステムを描いた20世紀の記念碑的大著の新版を、最新の研究成果を反映し、より正確かつ読みやすくして、ここにおくる。
〈理解とは、現実に予断をくだすことなく注意深く向き合い、それに負けないことなのだ〉
新版にあたってーー凡例
初版まえがき
序文(ドイツ語版より) カール・ヤスパース
まえがき(ドイツ語版より)
まえがき(1968年の英語分冊版より)
第一章 反ユダヤ主義と常識
第二章 ユダヤ人と国民国家
1 解放の曖昧さとユダヤ人の御用銀行家
2 プロイセンの反ユダヤ主義からドイツにおける最初の反ユダヤ主義政党まで
3 左翼の反ユダヤ主義
4 黄金の安定期
第三章 ユダヤ人と社会
1 例外ユダヤ人
2 ベンジャミン・ディズレイリの政治的生涯
3 フォブール・サン=ジェルマン
第四章 ドレフュス事件
1 ユダヤ人と第三共和国
2 軍・聖職者 対 共和国
3 民衆とモッブ
4 大いなる和解
原註
参考文献
事項索引
人名索引
作者 | ハンナ・アーレント/大久保和郎 |
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価格 | 4950円 + 税 |
発売元 | みすず書房 |
発売日 | 2017年08月24日 |
『全体主義の起原(2)』

作者 | ハナ・アレント |
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価格 | 5280円 + 税 |
発売元 | みすず書房 |
発売日 | 1981年07月 |
『全体主義の起原(3)』

作者 | ハナ・アレント |
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価格 | 5280円 + 税 |
発売元 | みすず書房 |
発売日 | 1981年07月 |
全体主義という言葉を耳にした時、目の前に立ちはだかる堅くて冷たい壁を思い浮かべます。しかし、その背後には一体何があるのでしょうか。しかしこの作品を通じて、全体主義がどのようにして誕生し、発展し、我々の身の回りに存在するのかを深く理解することができます。
ここに紹介した作品を一度手に取ってみてください。全体主義の起源を巧みに描いており、その複雑な過程を理解するきっかけになるでしょう。表面上は平穏で、下手に足を踏み入れてしまうと混乱へと巻き込まれるその世界を覗いた時、きっとあなた自身の理解も一段と深まることでしょう。
それは、特定の個々の運命だけでなく、サイレントマジョリティー全体の運命に対する深い洞察を提供してくれます。私たちが生きている今この瞬間も、全体主義という大きな流れが私たちの生活の一部になり、そこから逃れることは容易ではないかもしれません。それに対して我々は何を感じ、どのように向き合うべきなのか、この作品を読み進めた時には自ずと答えが見つかるかもしれません。
私たちは過去の歴史から学ぶことは大切ですが、それだけではなく、現在進行形の歴史に目を向けて考えることも大切です。それが全体主義という壮大なテーマに対する理解を深めるための一つの方法だと感じます。
全体主義の起源を扱ったこの作品を通じて、私たちの時代に生きるすべての人々が何か一つでも新たな気づきを得られることを願っています。何気ない日常の中に潜む全体主義の影に気づき、それに対して自己を位置づけるための手がかりになれば幸いです。
最後に、作品内に描かれた人々とその選択とはなんだったのか、その答えを自分自身の目で確かめてみてください。そしてあなたが全体主義についてどのように考え、対話するかが、未来を切り開く道筋となるでしょう。この素晴らしい作品をあなたにも是非お楽しみ頂きたいと思います。
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