魔女狩りの歴史を学べる本 おすすめ5選 なぜ起きた?
ある時代、魔女と呼ばれる存在への恐怖と疑念が世を席巻していました。起こった出来事は残酷であり、理解しがたいもの。しかし、その深層を探ることで、人々の恐怖心や大衆心理、時代背景を理解することができます。ここでは、その歴史を深く掘り下げてくれる5つの本をご紹介します。各本はそれぞれ異なる視点から事件を描き出し、独自の解釈と分析を加えています。なるべくシンプルでわかりやすい文章構成を心掛け、初学者でも気軽に読み進められるように作られています。また、写真やイラスト、古文書のレプリカを使用して、より総合的な理解を助けてくれます。恐怖と迷信に取り囲まれたあの時代へ、ぜひ一緒に足を踏み入れてみましょう。
『図説 魔女狩り 増補改訂版』
宗教改革、大航海時代、科学革命、異教・異端の弾圧ーヨーロッパ激動の時代、なぜ惨劇は起きたのか。魔女とは何か、なぜ約5万人もが処刑されたのか。あらゆる事象が相互に絡み合う背景を読み解き、歴史の闇に迫る。
作者 | 黒川 正剛 |
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価格 | 2310円 + 税 |
発売元 | 河出書房新社 |
発売日 | 2024年07月29日 |
『新版 魔女狩りの社会史』
「魔女の社会」は実在したのだろうか? 資料を精確に読み解き、「魔女」にまつわる言説がどのように形成されたのかを明らかにする。解説 黒川正剛
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「幼児を殺して貪り喰い、近親相姦を行い、十字架に唾をかけ、魔王を崇拝する」――近世のキリスト教世界において激しく非難された「魔女の社会」は、すべてが捏造されたものにすぎない。では、それらの言説はどのような伝統を持ち、いかにして「魔女たち」と結びつき、そして「魔女狩り」に寄与してきたのか。厳密な資料読解を通して、排除と迫害が生み出される条件とその仕組みを明らかにする。また、近代の魔女狩り研究が、どのようにその過ちを増幅し流通させることになったのかについても徹底的に検証する。(解説 黒川正剛)
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排除と迫害と虐殺のメカニズム
「魔女の社会」は、
如何に捏造されたか。
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【目次】
序文
謝辞
第一章 古代における序幕
第二章 悪魔とその力にかんする見解の変化
第三章 中世の異端の悪霊化(一)
第四章 中世の異端の悪霊化(二)
第五章 テンプル騎士団の壊滅
第六章 儀礼的魔術の実在
第七章 悪霊を崇拝する魔術師は存在しなかった
第八章 魔女の社会は実在しなかった
第九章 民衆の想像の中での夜の魔女
第十章 魔女狩りの開始についての誤った通説
第十一章 魔女狩りは実際に、どのように始まったのか(一)
第十二章 魔女狩りは実際に、どのように始まったのか(二)
訳者あとがき
文庫版解説 学際的な魔女狩り研究を切り開いた先駆者 黒川正剛
書誌的註解
作者 | ノーマン・コーン/著 山本通/翻訳 |
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価格 | 1700円 + 税 |
発売元 | 筑摩書房 |
発売日 | 2022年03月14日 |
『魔女狩りのヨーロッパ史』
一五〜一八世紀、ヨーロッパ文明がまばゆい光を放ち始めたまさにそのとき、「魔女狩り」という底知れぬ闇が口を開いたのはなぜか。その起源・広がり・終焉、迫害の実態、魔女イメージを創り上げた人たち、女性への差別ーー進展著しい研究をふまえ、ヨーロッパの歴史を映し出す「鏡」としての魔女と魔女狩りを総合的に描く。
はじめに
第1章 魔女の定義と時間的・空間的広がり
魔女とは何か
悪魔との契約
異端セクト化
魔女の害悪魔術
動物への変身と使い魔
迫害の主対象は年老いた女性
迫害時期・地域と規模
魔女狩りの政治状況
第2章 告発・裁判・処刑のプロセス
教会裁判所と異端審問制
世俗裁判所の大きな役割
噂から始まる魔女狩り
魔女発見人の暗躍
魔女委員会と請願
訴訟の展開
全身検査と拷問
量刑および処刑方法
第3章 ヴォージュ山地のある村で
魔女の「巣窟」としての山間奥地
農民たちに流布する対抗呪術と招福呪術
ブルオモン村のピヴェール家とドマンジュ家
ピヴェール家に掛けられた嫌疑
少女マンジェットの告発と崩壊する家族
祖母に責任を!
人間の弱みにつけ込む司法機構
第4章 魔女を作り上げた人々
中世の神学者
教皇と説教師と大学
悪魔学者の重責
『魔女への鉄槌』
ジャン・ボダン
ニコラ・レミ
ジェイムズ六世
アンリ・ボゲ
ピエール・ド・ランクル
他の悪魔学者たち
第5章 サバトとは何か
サバトの誕生と発展
サバト開催地と日時
夜間空中飛行と膏薬作り
悪魔への臣従とさかさまの宗教儀式
人肉食宴会・狂乱ダンス・乱交
絵画と印刷文化によるイメージ拡散
第6章 女ならざる“魔女”--魔女とジェンダー
男の“魔女”=妖術師
魔術師の肯定的評価とメランコリー
世代間闘争が魔女狩りを生み出す
裁かれる子どもたち・告発する子どもたち
家族現象としての魔女
第7章 「狂乱」はなぜ生じたのかーー魔女狩りの原因と背景
悪天候・疫病・戦争
農村共同体の解体とスケープゴート
賢女と魔女
都市の魔女
都市エリートによる農村の文化変容
国家権力の発現としての魔女狩り
カトリックとプロテスタントの相克
社会的規律化
第8章 魔女狩りの終焉
魔女狩りに反対した人々
一七世紀の悪魔憑き事件
高等法院の開明的態度
理性への信頼と啓蒙主義
魔女のグローバル・ヒストリー
カウンター・カルチャーとしての新魔女運動
おわりにーー魔女狩りの根源
あとがき
主要参考文献・図版出典一覧
作者 | 池上 俊一 |
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価格 | 1100円 + 税 |
発売元 | 岩波書店 |
発売日 | 2024年03月22日 |
『魔女狩り 西欧の三つの近代化』
十五世紀前半〜十八世紀後半、四万人が魔女として殺された。中世ではなく、近代黎明期に魔女狩りが大流行したのはなぜか?「魔女狩りとは何か」という問いは、「ヨーロッパ近代とは何か」という問いでもある。「視覚の特権化」「科学的自然観」「他者・周縁者の排除」。歴史学、文化論、哲学、宗教学を横断して、魔女狩りの意味論を徹底的に探究する。
作者 | 黒川正剛 |
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価格 | 1870円 + 税 |
発売元 | 講談社 |
発売日 | 2014年03月 |
『魔女狩り』
プロローグ──魔女旋風
1 平穏だった「古い魔女」の時代
1 魔女の歴史
2 寛容な魔女対策
2 険悪な「新しい魔女」の時代
1 ローマ・カトリック教会と異端運動
2 異端審問制の成立とその発展
3 異端者と魔女との混淆
4 「新しい魔女」の創作と魔女裁判の確立
3 魔女裁判
1 魔女は何をしたのか
2 救いなき暗黒裁判
3 「死の祭典」──大量処刑
4 裁判のあとで
1 魔女の「真実の自白」
2 「新しい錬金術」──財産没収
3 裁判費用明細書
エピローグ
1 魔女狩りと新教徒
2 ルネサンスの保守性
3 魔女裁判のモラル
4 暗黒裁判に抗議した「無名戦士」たち
作者 | 森島 恒雄 |
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価格 | 968円 + 税 |
発売元 | 岩波書店 |
発売日 | 1970年06月20日 |
それでは、我々の歴史に深く刻まれた恐ろしい出来事、魔女狩りについて深く掘り下げた5冊のおすすめ本をご紹介させていただきました。過去の出来事を振り返ることは、たとえそれが辛く苦しい記憶だったとしても、我々の学びとなり、未来を築くための礎となります。そして、それがフィクション越しであっても、現実を見つめる手助けになることでしょう。
魔女と呼ばれた人々が何を思い、どのように生き抜いたのか。彼らと関わった人々はどんな選択をしたのか。そんでもって膨大な数の無実の人々が生け贄となったこの悲劇はなぜ起こったのか。5冊の本を通して、その答えを少しでも見つけていただければと思います。
それぞれの作品は独自の視点から魔女狩りを描いていますので、1つのテーマをシリーズで読むのは、異なる視点を得るのに非常に素晴らしい機会です。これらの本が、あなたの知識を広げ、魔女狩りという過去の闇を照らしてくれることでしょう。
歴史を学ぶ上で重要なのは、出来事を単なる事実として受け止めるだけではなく、なぜそれが起きたのか、その背後にある人間の心理や社会状況を理解することです。そしてそれは、我々が未来を見据え、自分たちの行動に対する影響を考えるための大切な教訓となります。
今回ご紹介した作品を通じて、あなたも魔女狩りの歴史について深く考え、新しい視点や洞察を得られれば幸いです。思いがけず涙なんか流してしまうかもしれませんよ。でも、それが人間としての深い学びに繋がるならば、それもまた一つの経験と言えますよね。それでは、皆さまの読書が、共感と学びに満ちたものになることを願っています。
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