博物館を舞台にした小説5選
博物館は、私たちが知識を深め、新たな世界に触れる場所。そんな不思議な空間を舞台にした小説、5作品を紹介します。まず一つ目は、夜になると展示物が生き露わになるファンタジー。子供から大人まで楽しめる一冊です。二つ目は、アートヒストリーが鍵を握るミステリー。謎解き好きにはたまらないでしょう。三つ目は、細密な描写で再現される歴史博物館を舞台にした時代小説。それはまるでタイムスリップしたかのような感覚に陥ります。四つ目は、恋愛要素も交えた青春小説。博物館の静けさが独特な雰囲気を醸し出しています。最後は、博物館を管理するキュレーターの視点から描かれた群像劇。人間の営みとアートの交錯が見せ場です。さあ、博物館の世界へ、一緒に旅立ちましょう!
『海の上の博物館』
瀬戸内海に浮かぶ小さな島に建つ、茅埜辺市立博物館。遠くから見る光景は、まるで海に浮かんでいるかのよう。美しい自然に囲まれたその博物館では、個性豊かな学芸員たちが日々、懸命に働いている。そして訪れる客たちも、いわくつきの人ばかり。そんな素敵(?)な環境の中、臨時職員として働きはじめたばかりの新人女子・若菜は、悪戦苦闘しながらも、笑顔を忘れず、成長していく。書き下ろし。
作者 | 行田 尚希 |
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価格 | 649円 + 税 |
発売元 | KADOKAWA |
発売日 | 2015年01月24日 |
『博物館の少女 怪異研究事始め』
運命に導かれ、文明開化の東京にやってきた少女イカルは、上野の博物館の古蔵で怪異の研究をしている老人の手伝いをすることになる。日本に誕生して間もない博物館を舞台に、謎が謎を呼ぶ事件を描くミステリアスな長篇。
明治16年、文明開化の東京にやってきた、大阪の古物商の娘・花岡イカルは、親戚のトヨの用事で上野の博物館を訪れた際、館長に目利きの才を認められ、博物館の古蔵で怪異の研究をしている織田賢司(= 通称トノサマ)の手伝いをすることになる。
トノサマの指示で蔵の整理を始めたイカルだったが、目録と収蔵品の照合を終えた後、黒手匣(くろてばこ)という品物だけが何者かによって持ち去られたことが発覚した。いったい誰が、何の目的で盗んだのか? 隠れキリシタンゆかりの品とも噂される、この匣に隠された秘密とは?
作者 | 富安陽子 |
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価格 | 1540円 + 税 |
発売元 | 偕成社 |
発売日 | 2021年12月06日 |
『八月の博物館』
あの夏、巡りあった奇妙な洋館には無数の扉があり、あらゆる博物館に繋がっていた。作家志望の少年亨は案内役の少女美宇、黒猫のジャックとともに扉を開き、時空を超えた冒険へ。だが、古代エジプトの聖牛アピスの復活に巻き込まれ…世界を救う鍵は、物語の力。過去と現在が行き交う壮大なファンタジー。
作者 | 瀬名 秀明 |
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価格 | 1320円 + 税 |
発売元 | 河出書房新社 |
発売日 | 2024年10月08日 |
『遺品博物館』
あなたの「遺品」収蔵します。
死者の物語を宿した品々と引き換えに
学芸員がもたらすのは、救済か破局かーー
熟練の技巧が冴え渡る、
死者と生者を繋ぐ八つの物語。
地元の名士である老医師からいがみ合う遺族への最後の贈り物、過去に起きた殺人の記憶を秘めた細工箱、十歳で命を落とした少年が最後に遺した宝物……老若男女問わず、「死」の後には必ず「遺品」が遺される。そして生前の名声に関係なく、死者が蓄えた物語が込められた遺品を収蔵するのが「遺品博物館」である。学芸員の吉田・T・吉夫が遺品と引き替えに残された者たちにもたらすのは、安寧か崩壊かーー熟練の技巧で抉り出す、死者と生者を繋ぐ八つの謎物語。
■目次
川の様子を見に行く
ふたりの秘密のために
燃やしても過去は消えない
不器用なダンスを踊ろう
何かを集めずにはいられない
空に金魚を泳がせる
時を戻す魔法
大切なものは人それぞれ
解説
作者 | 太田忠司 |
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価格 | 946円 + 税 |
発売元 | 東京創元社 |
発売日 | 2023年02月27日 |
『博物館のファントム 箕作博士の事件簿』
呪いのルビー、ニセモノの化石、大型模型の中に隠された植物標本……博物館には謎がいっぱい! 変人博物学者・箕作と女性分類学者・環のコンビが活躍する「博物館ミステリー」誕生!(解説/吉田伸子)
作者 | 伊与原 新 |
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価格 | 748円 + 税 |
発売元 | 集英社 |
発売日 | 2016年09月16日 |
以上、博物館を舞台にした小説5選をご紹介しました。それぞれの作品は、一見無機質な博物館という場所に人間の想像力と知識が詰まった世界を描き出しています。真新しい知識に出会うと同時に、その背後にある歴史や文化、人々の思いが深く刻まれているのが博物館の特徴ではないでしょうか。それが小説の力で見事に生まれ変わり、新たな物語として読者の前に現れる瞬間は、まさに魔法のような感覚さえ覚えます。
また博物館の静けさと、彼方此方から伝わってくる過去の息吹が創り出すほのかな郷愁や孤独感、彼方此方から伝わってくる過去の息吹が創り出すほのかな郷愁や孤独感は、小説のステージとして絶妙なバックグラウンドを提供します。そして、そんなシーンの中で繰り広げられる人間ドラマや謎解き、冒険が、我々の心を一層引きつけるのです。
もし皆さんが次に博物館を訪れる機会があれば、きっとこれらの小説の一つや二つが頭の片隅でチラッと思い出されることでしょう。そしてそれが、頼りない光源の下で静かに眠る展示物たちを、より一層身近で鮮やかなものに感じさせてくれるはずです。今回ご紹介したこの5冊が、そんな新たな博物館体験の入り口になれば幸いです。
どの作品も博物館という共通の舞台を持ちながら、全く違った方向へと物語を紡いでいます。いずれの作品も、博物館の持つ不思議な魅力を十分に引き立ててくれます。皆さんのお気に入りを見つけて、新たな世界へ飛び込む一歩を踏み出してみてください。次の博物館訪問が、これまで以上に楽しく、意味深なものになりますように。それでは、素敵な読書ライフを!
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