ホラー小説を書く時に参考になる本10選

ホラー小説を書くときに参考になる本って、どんなものがあるでしょうか。実際に百戦錬磨の作家たちが創造した卓越した恐怖描写、細部にわたる臨場感、読者の心を掴むストーリーテリングなど、直接学べることがたくさんあります。一部では呼吸をもつかせぬ緊迫感が漂う状況描写。一部では暗黒の淵からじわじわと忍び寄る恐ろしさを掻き立てる心理描写。どの作品も、恐怖の世界を表現するためのテクニックが深堀りされています。悪夢のような壮絶なエピソードから、じっくりと怖さを滲ませるシーンまで、この10冊は待ち構える様々な震源地となりますよ。未知なる恐怖を文字にまとめ、読者に届ける独特の手法を学んでみてください。
『ヌシ』

ヌシ(主)とは長いあいだ一箇所に棲み続けて、巨体になった生物のことです。
本書は、川や湖、池、沼、深山幽谷、古城廃屋など、日本各地に棲む龍、大蛇、蜘蛛など様々なヌシを取り上げ、伝承や文献などの資料を交えて考察。人とヌシとのつきあい、ヌシの種類、ヌシの行動、ヌシの社会、ヌシと文芸、現代のヌシなど、多角的な視点から日本のヌシに迫ります。
【目 次】
序・ヌシと日本人
目次
第一章 英雄とヌシ
英雄たちの怪物退治/神話の英雄、伝説の英雄/ヌシの条件/登場人物の横顔
第二章 神・妖怪とヌシ
夜刀神の領分/国津神の末裔/神でもあり、妖怪でもあり/水木妖怪とヌシ
第三章 ヌシとのつきあい方
ヌシとの約束/ヌシと雨乞い/椀貸し伝説/共同体と個人
第四章 ヌシの種類
水棲生物のヌシ−蛇、魚、蟹など/虫類のヌシ-蜘蛛/陸棲動物のヌシ-牛/ヌシへの供物−馬と、人間体のヌシ
第五章 ヌシの行動学
人を襲う・テリトリーを作る/人に祟る/毒を吐く・昇天する・修行する/人をさらう・子孫を残す
第六章 ヌシの社会
沼神の手紙/秘密の地下水脈/引っ越しをする理由/物言う魚
第七章 ヌシVSヌシ
戦場ヶ原の神話/縄張り争いをするヌシ/助けを求めるヌシ/異類合戦
第八章 ヌシが人になる
物食う魚/干拓事業とヌシ/ヌシと暮らす/タクシー幽霊とヌシ
第九章 人がヌシになる
ヌシになった人/ヌシになる方法/幽霊かヌシか/実話怪談のなかのヌシ
第十章 文学のなかのヌシ
『八郎』と八郎太郎伝説/『龍の子太郎』と小泉小太郎伝説/『夜叉ヶ池』と夜叉ヶ池伝説/沈鐘伝説
第十一章 現代のヌシ
未確認動物とヌシ/怪獣とヌシ/ダム湖にヌシは棲むか/里山とヌシ
後書・ヌシの棲む国
注一覧
都道府県別ヌシ索引
作者 | 伊藤龍平/著 |
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価格 | 不明 |
発売元 | 笠間書院 |
発売日 | 2021年08月12日 |
『ネットロア ウェブ時代の「ハナシ」の伝承』

「くねくね」「八尺様」「南極のニンゲン」--都市伝説的な奇妙な「ハナシ」は、ネット時代にどう伝承されるのか。「ハナシ」がインターネット上で増殖していく仕組みと内容の変容を巨大掲示板やSNS、動画共有サイトを事例に解き明かす異色のネット研究書。
序 説話(ルビ:はなし)とコミュニケーション
第1章 ネットロア「くねくね」と電承体について
1 ネット時代の世間話
2 スクロールされる話
3 「2ちゃんねる」という世間
4 ネット上のフィールドワーカーとテンプレ
第2章 再び「くねくね」と電承体について
1 明滅する電承体
2 電承体の「地域」差
3 ビリーバーとリサーチャー
4 ロム組と、透明な「送り手」
第3章 『探偵!ナイトスクープ』の「謎のビニールひも」について
1 真相を求めるネット住人
2 テレビの一回性と噂
3 技術の発達史とネットロア
4 万華鏡的伝承世界
第4章 「八尺様」とネットの身体について
1 視線に基づく怪談
2 体験談の人称ーー口承・書承・電承
3 文字電承から音声電承、動画電承へ
4 ネットの身体と怪異表現
第5章 鳥居みゆきの黒い笑いについて
1 狂気と死の笑い
2 コント動画の観客
3 ネット有名人の横顔
4 表舞台の地下芸人
第6章 『あまちゃん』がいる「郷土」について
1 偽史と「郷土」とアイドル
2 奇人と逸話
3 ネットのなかの「郷土」
4 震災とノスタルジア
第7章 「南極のニンゲン」とネット時代の「秘境」について
1 「2ちゃんねる」で生まれた未確認生物
2 海洋奇談と怪獣たち
3 「鮫島事件」と、ドラえもんの「タレント」
4 ネットロアと都市伝説
初出一覧
あとがき
作者 | 伊藤 龍平 |
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価格 | 2200円 + 税 |
発売元 | 青弓社 |
発売日 | 2016年02月20日 |
『怪談の仕掛け』

怪談の基本を声の文化として捉え、悲話、笑い話、猥談、落語、童話、ネットロア、予言譚、実話など、様々な話を成立させる仕掛けと怪異的な要素の関係を読み解くことで、怪談のメカニズムを浮き彫りにする。「怪談と恐怖の関係とは何か」に迫る論考集。
作者 | 伊藤龍平/著 |
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価格 | 2000円 + 税 |
発売元 | 青弓社 |
発売日 | 2023年06月20日 |
『恐怖の構造』

サーカスのピエロを、たまらなく恐ろしく感じる症状を「クラウンフォビア」という。また本来なら愛玩される対象であるはずの市松人形やフランス人形は、怪談やホラー映画のモチーフとして数多く登場する。なぜ人間は、“人間の形をした人間ではないモノ”を恐れるのか。また、日本人が「幽霊」を恐れ、アメリカ人が「悪魔」を恐れるのはなぜか。稀代のホラー作家が、「エクソシスト」や「サイコ」など、ホラーの名作を例に取りながら、人間が恐怖や不安を抱き、それに引き込まれていく心理メカニズムについて徹底考察。精神科医の春日武彦氏との対談も特別収録!
作者 | 平山夢明 |
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価格 | 858円 + 税 |
発売元 | 幻冬舎 |
発売日 | 2018年07月 |
『新装版 遠野物語』

日本民俗学の原点となった不朽の名著が今蘇る!完全再録した注釈と、遠野の原風景を切り取った口絵写真。民俗学の基本語を説く補注から、詳密な検索に耐えられる索引、柳田文学を追求した解説まで、原書の格調をさらに高めた豪華愛蔵版!
作者 | 柳田 國男 |
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価格 | 3300円 + 税 |
発売元 | 大和書房 |
発売日 | 2022年09月17日 |
『日本現代怪異事典』

戦前のこっくりさんにはじまり、
トイレの花子さん、口裂け女、ベートーベンの怪などの学校の怪談、
そして2000年前後にインターネット上で登場する怪異たちまで、
主に戦後(昭和20・1945年)の日本を舞台に語られた
一千種類以上の現代怪異を紹介する、怪異ファン必携の1冊!
作者 | 朝里樹/著 |
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価格 | 不明 |
発売元 | 笠間書院 |
発売日 | 2018年01月17日 |
『日本怪異幽霊事典』

怪異事典シリーズ累計15万部の著者の最新作!
「幽霊」が登場する伝説、文学、芸能、都市伝説などを800項目以上にわたって集め、事典形式で紹介します。
古代・中世・近世・近代・現代の章で項目を分類し、時代ごとの死者に対する捉え方や表現の移り変わりを感じることもできます。
姿形も、登場のしかたも、化けて出るようになった経緯もさまざまな「幽霊」。
この一冊で、日本人が長年にわたって親しんできた幽霊のありようが見えてきます。
五十音順索引/死者の表現別索引/行動・現象・生者との関わり別索引 を掲載
伊邪那美命、産女、元興寺の鬼、菅原道真、赤馬に乗る人、蘇我蝦夷、負債を取り立てる子、紫式部、体を刺す物、楠木正成、自らの屍を打つ餓鬼、蒙古の怨霊、頼豪、アブになる人魂、弥子、ウチャタイマグラー、お露、お二人様の幽霊、累、吉利支丹宗門の者の幽霊、こんな晩、逆さまの幽霊、泥田坊、孫に転生した祖父、カスンテ、強力按摩、座敷わらし、たたりもけ、猫娼妓、ヒモジイ様、モー三月、妖蛸、赤いクレヨン、イシネレㇷ゚、衛生兵を殴る屍、姦姦蛇螺、グソー・ヌ・ニービチ、首なしライダー、初期化幽霊、ゾンビ、トイレの花子さん、マッチョなノースリーブの幽霊、見えてるくせに、紫鏡、霊が活動しない日……などを収録!!
【目 次】
はじめに
古代(奈良~平安時代)
中世(鎌倉~安土桃山時代)
近世(江戸時代)
近代(明治~昭和前期)
現代(昭和後期~令和)
○column
○索 引
五十音順索引/死者の表現/行動・現象
おわりに
参考資料
作者 | 朝里樹/著 |
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価格 | 2600円 + 税 |
発売元 | 笠間書院 |
発売日 | 2024年06月27日 |
『何かが後をついてくる』

日本や台湾の説話や伝承、口承文芸、「恐い話」をひもとき、耳や鼻、感触、気配などによって立ち現れる原初的で不定形な妖怪を浮き彫りにする。ビジュアル化される前の妖怪から闇への恐怖を思い出すことで、私たちの詩的想像力を取り戻す。
作者 | 伊藤龍平/著 |
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価格 | 2000円 + 税 |
発売元 | 青弓社 |
発売日 | 2018年08月03日 |
『禁忌習俗事典 タブーの民俗学手帳』

「忌」は、外からはばかって近づかぬものと、内にあって警戒し忌でないすべてのものを排除しようとする両方に分かれ、かつ密接にからまりあっている。ここに、穢れと差別の根源がある。微々たる片いなかの事実を集積してその解明の手がかりとする“日本民俗学の前途の光”となった画期の書。不思議な習俗・風習・奇習事典。
作者 | |
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価格 | 990円 + 税 |
発売元 | 河出書房新社 |
発売日 | 2021年03月08日 |
『世界現代怪異事典』

怪異界のベストセラー『日本現代怪異事典』待望の世界編!
スレンダーマン、サラエヴォの呪われた自動車、バズビーズチェア、モンスの天使、アナベル人形、ピー・ガスーなどの怪異から、ネッシー、オゴポゴ、ヴァンパイア・キャット、モンゴリアン・デスワームなど怪物まで。20世紀以降に世界各地で語られた怪異・怪物を800種類以上掲載。世界の怪異、決定版!
本文は、怪異・怪物を、アジア、オセアニア、北アメリカ、南アメリカ、ヨーロッパ、アフリカ、その他の地域ごとに50音順で紹介。
コラム、項目索引、怪異世界年表ほか、國學院大學 飯倉義之准教授、南台科技大学 伊藤龍平助理教授、横浜国立大学 一柳廣孝教授ら、怪異界の著名人3名から特別寄稿をいただく充実の内容。
中・高生から怪異好き社会人まで、幅広く楽しんで頂ける「読む」事典です。
【目 次】
はじめに
目次・凡例
●アジア
インド、インドネシア、カンボジア、タイ、台湾、中国、フィリピン、ベトナム、マレーシア、ミャンマー。モンゴル ほか
●オセアニア
オーストラリア、ニュージーランド
●北アメリカ
アメリカ、カナダ、メキシコ
●南アメリカ
アルゼンチン、コロンビア、チリ、バハマ、プエルトリコ、ブラジル。ペルー、ボリビアほか
●ヨーロッパ
アイスランド、アイルランド、イギリス、イタリア、ウクライナ、オーストリア、スイス、スウェーデン、スペイン、ドイツ、ポーランド、ハンガリー、フランス、ロシアほか
●アフリカ
アルジェリア、アンゴラ、ウガンダ、エジプト、コンゴ、セネガル、ソマリアほか
●その他
インターネット、世界各地、大西洋、南極ほか
●コラム
空想の生き物たち、心霊主義、未確認動物、クリーピーパスタ、ゴシック文学、トール・テール
●特別寄稿
怪異世界事典の歩き方―「どこか・かなた」の怪異・怪物と向き合うために―
國學院大學准教授 飯倉義之
傘をさす幽霊―台湾の怪談いま・むかし―
南台科技大学助理教授 伊藤龍平
転移する怪異―「こっくりさん」が呼び込むもの―
横浜国立大学教授 一柳廣孝
●索引
50音順・国別・ジャンル別(幽霊、妖怪・妖精、怪人、未確認動物、空想生物、ほら話、クリーピーパスタ、その他)
怪異世界年表
あとがき
参考資料
作者 | 朝里樹/著 |
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価格 | 不明 |
発売元 | 笠間書院 |
発売日 | 2020年06月22日 |
ここまで、様々なホラー小説をご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。見事な文章力を持つ作家たちの世界に引き込まれ、我々は現実世界から隔離され、深淵や異次元へと足を踏み入れ、現実以上の怖さを体験することになります。それらの恐怖を書き表すのは簡単なことではありません。心の奥底に潜む不安や恐怖を紡ぎ出し、そして読者の心にシンパシーを呼び起こすには、一定のテクニックと独自の視点が必要なのです。
これらの作品を読むことで、恐怖を描く独特のやり方や、ありとあらゆるホラーのテーマに触れることができます。いささか尖った視点で、人間の心理をえぐるような描写や、現実離れした恐怖の描写など、それぞれの作品から様々なアプローチを学ぶことができるでしょう。
ホラーを書くことは、単に「怖い話」を書くことだけではありません。人間の心の闇や、未知への恐怖、人間関係の複雑さを描くことができるのです。それぞれの作品が、独特のホラーの世界を広げてくれることでしょう。
さらに、これらの作品を読むことで、自分自身の怖さの感じ方も見つめ直すきっかけになるかもしれません。それぞれの作品には、作家自身が持つ恐怖観が秘められています。それを理解し、自分自身の中に刻み込むことが、ホラー作家への一歩となるでしょう。
本書で紹介した作品はすべて、独自の視点でホラーを描く作家たちの力作ばかりです。読むことにより、その圧倒的な表現力や想像力、そして読者を虜にするストーリーテリングに触れ、インスピレーションを得ることができます。「ホラー小説を書こう」と思ったあなたにとって、これらの作品は良い師となるでしょう。一つ一つの物語をじっくりと味わい、それぞれの表現を学び取り、自分自身の創作活動に活かしてください。まだ見ぬ恐怖の世界を描くあなたの成功を心から祈っています。次なる怖さを、待ちわびていますよ。
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