このたびふげん社は、千田貴子の第一写真集『記憶の小箱 2011–2024』を刊行いたします。
千田貴子は、1972年東京生まれ、文化学院美術科を卒業。90年代から写真家としての活動を開始し、2003年銀座ニコンサロンにて個展「ガラスの半球 Glass-Walled Hemisphere」を開催以降、コンスタントにニコンサロンでの発表を重ねてきました。
本作は、2011年に転勤族の夫と結婚し、千葉、福岡、大阪、東京、名古屋、北海道と、家族と共に日本全国へ転居を繰り返した日々のカラー写真80点が収録されています。
およそ3年ごとに築き上げてきた土地との関係をリセットし、新たな場所での生活をスタートするという生活の中で、その間に息子が生まれ、作家の身の回りはさらに目まぐるしく変化していきます。
いつかは離れなくてはならない土地で、ある種の諦念からくる浮遊したまなざしをもって、目の前の光景の一瞬一瞬をカメラという小箱に刻んでいきました。彼女の写真がどの土地へ移っても等価な風景として私たちの目に映るのは、日々移り変わる世界の様相を前に、自分の中にある揺るぎないものを静かに見つめようとしていたからかもしれません。
自分の意思とは関係のないところで身の回りが一変するという生活の中で、自らの視座という聖域を守り、世界を見つめ続けた写真家の生の軌跡をご覧ください。
「千田さんの写真には、ふと目にした一瞬の景色が切り取られている。どの写真も一目みたとたんに心のツボを押されたように、気持ちが揺れる。なぜだかこの瞬間に自分も立ち会っていたような錯覚を覚える。そして、永遠に失われた時間の確かな痕跡として、写真に釘付けになる」(東直子「いとおしい営みの痕跡」より)
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