末木文美士『哲学の現場――日本で考えるということ』は、日本における哲学的思考の実践や特徴を紹介する書です。西洋哲学の理論だけでなく、日本の文化や社会的背景を踏まえ、哲学が日常や教育、社会問題にどのように活かされるかを論じています。抽象的な概念を現実の事例と結びつけることで、読者が自分自身の考え方を見つめ直し、思考力を深める手助けとなる一冊です。
日本の近代思想を土台として、純粋経験、場所、倫理、言語、他者と死者、自然科学と哲学、差別、正義、伝統と近代、などをめぐる新しい哲学の旅へ。
「本書を書くためにこれまでの僕のすべての研究生活があり、もっと強く言えば、本書のために僕はこれまで生かされてきたと言ってもよい。」(末木文美士)
第1章 哲学は日本にはじまる?
1 西洋のフィロソフィーと日本の「哲学」
2 「哲学」の由来
3 思索の迷路へ
第2章 何から出発するか?
1 イデアから「私」へ
2 純粋経験の世界
3 純粋経験から「場所」へ
4 「場所」で他者と出会う
第3章 人は如何に生きるべきか
1 倫理はどこに成り立つか
2 関係は存在に先立つ
3 倫理の限界
第4章 言葉は何を表わすか
1 論理の限界と可能性
2 矛盾を認める論理
3 言語ゲームと禅
第5章 他者の壁
1 不可解な他者
2 他者の極限
3 他者の息づく領域
第6章 死者とともに
1 死の体験不可能性
2 死から死者への問題転換
3 他者としての死者
第7章 私という困難
1 「私」をめぐる問い
2 近代日本の中の「私」
3 流動化する「私」
第8章 超越か内在か
1 存在を超える神
2 有無を超える無
3 内在と超越の相克
第9章 逸脱する自然
1 自然科学と哲学
2 自然科学のパラダイム
3 冥なる自然
4 自然の奥の神々
第10章 差別と平等
1 戯画化された「正義」
2 差別はなぜ生まれるか
3 性の差別と闘争
4 他者の同化と異化
第11章 伝統と近代
1 近代化論のゆくえ
2 自前の近代化の可能性
3 近代を乗り超える?
4 日本思想史は可能か
5 「顕」と「冥」のダイナミズム
第12章 日常から出発する
1 螺旋の道を辿りつつ
2 世界を捉える方法
3 汝自身を知れ
あとがき
すべて見る
新着の本すべて見る
30日間で人気のまとめ記事





すべて見る
小説のまとめ記事





すべて見る
おすすめのまとめ記事





すべて見る
漫画のまとめ記事





すべて見る
趣味のまとめ記事




