Kindle版で読了。
一見、啓発書のようにも見えますが、本書は「仮説」という考え方を通じて、科学や日常で私たちが確信していることの多くが不確実であることを教えてくれます。
科学的知識も仮説の積み重ねであり、確信が覆されることも少なくない、という点が印象的でした。
特に面白かったのは、冥王星や小惑星の話です。2005年にNASAが発表した「10番目の惑星」の発見や、過去のケレスの例を通して、惑星の定義や分類が時代や研究者によって変わることが紹介されています。
冥王星はかつて惑星とされましたが、その後の研究で惑星ではない可能性があると考えられるようになったこと、また小惑星との境界が曖昧であることなどが解説されており、科学の不確実性を身近に理解できる具体例として印象に残りました。
本書では、仮説は科学に限らず、日常やあらゆる学問でも使われていることが強調されています。
「確実なものなどほとんどない」という考え方を学ぶことで、物事を固定観念にとらわれず柔軟に考える視点を得られます。
自然科学や仮説の考え方に興味がある方。
また「思い込みを避けて物事を理解したい」と考える方には、特におすすめの一冊です。
















