話題になっていたので購入。思っていたより楽しめた。
一話ごとが短いのでどこからでもさくさく読めるし、特に読者を怖がらせようという意図はなく淡々としてるのが好感触。芸人さんということだが、文章も普通に上手。
基本的に自分が住んだ事故物件での体験談を綴っているが、事故物件を釣りにして物件を貸したり「心理的瑕疵」など、不動産業界の豆知識は「へー」と面白く読んだ。大島てるの事故物件まとめサイトの存在も、この本で初めて知った。
性質上事故物件の真相が明らかにならないことも多く、「結局ここでなにがあったの!?」とモヤモヤするが、その消化不良感もリアルっぽい。
知人や友人、またはイベントで知り合った人の話なども収録されているが、こっちも面白かった。
よく考えれば狭い国土にこんだけ人が密集して暮らしてるんだから、事故物件が膨大に量産され続けるのは当たり前な訳で、これまで身近にあり、今後も起こりうるだろう出来事を過剰に忌避し続けるのもおかしな話だな……と、作者のスタンスに共鳴した。
しかし自分の写真の顔が真っ黒って……ご本人は然程気にされてないみたいだが、大丈夫なのだろうか……。
ぶっちゃけ一番怖かったのは知人宅の防犯カメラに録画された謎の老人。不意打ちで写真だすなよー!
そんなの全然気にしないよ!って勇者はどうぞご自由にだが、怖い話が苦手な独り暮らしの人が、深夜にひとりで読むのはやめたほうがいいかもしれない。
割と真面目に生きてる人間が一番怖い系のエピソードも収録されてるので……。


















