登場人物たちが抱える複雑な感情や人生の葛藤に引き込まれ、「神」として描かれる存在が持つ象徴的な意味が印象的で、人々がそれぞれの信念や思いに従って生きる姿がリアルに感じられました。人間の弱さや強さ、そして絆の大切さを再確認させられる一冊で、読み終えた後も心に余韻が残る作品です。
"3.11を忘れない──。そのような思いで東北放送60周年記念ドラマとして2019年に制作され、文化庁芸術祭テレビドラマ部門で優秀賞を受賞し、日本民間放送連盟賞優秀賞、国際エミー賞最終候補作ノミネートと、国内外で高い評価を得たTVドラマ作品『小さな神たちの祭り』。東日本大震災から10年の節目となる2021年3月に、同作の脚本を執筆した内館牧子氏自らの手によって、完全描き下ろしで小説化された作品が、ついに文庫として登場!
【物語のあらすじ】
宮城県南部の町、亘理(わたり)。イチゴ栽培が盛んな地域だ。谷川晃(たにがわ・あきら)はイチゴ農家の長男。しかし、家を継ぐ気はなく東京の大学に合格、晃は2011年3月11日、アパート探しなどのために上京していた。一緒に東京に行きたいとせがんだ弟を置いて──。その弟、両親、祖父母、そして飼い犬。晃を除く家族全員があの大震災での津波に呑まれてしまった……。
あの日から9年経った今でも、まだ家族の誰一人も見つかっていない。
大学を卒業後、一旦東京で就職するも挫折し、仙台で肉体労働をする晃には、東京や仙台の人々は、もう震災の事を忘れてしまっているように感じられる。仙台で知り合った恋人の岡本美結 (おかもと・みゆ)も同じ。しかし、美結の明るさに救われているのも事実だった。つき合って2年、二人とも結婚を意識する頃だったが、晃は家族のことを考えると、どうしても、 自分だけが幸せにはなれないと、結婚に踏み出せないでいた。そんな時、二人の前に一台のタクシーが現れる──。
2時間のドラマ作品では描かれなかった物語の一つ一つエピソードの詳細が、作者自らの手で鮮やか紡ぎ出されていく──。
巻末には、ドラマで主演(晃役)を務めた俳優・千葉雄大さんによる感動的な解説も掲載!!
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