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火垂るの墓は映画を何度も見てきましたが、原作を読むのは初めてでした。話の筋はわかっているうえ、とても短いのに、読むのが一番つらく感じました。あまりに胸が締めつけられる内容で、「アメリカひじき」からはなかなか読み進められず、かなり時間がかかりました。随分前の作品なので、当時の時代背景や貨幣価値はわからない部分もありましたが、それでも壮絶さが伝わってきました。どの作品も野坂昭如の体験が元になっているようですが、「火垂るの墓」以外では生き延びて比較的裕福な生活を送っているのに対し、「火垂るの墓」だけは飢えで命を落としてしまいます。その対比もあって、いっそうつらく感じたのかもしれません。