『ねぇだっこして』は、赤ちゃんが生まれたことで、お母さんの愛情が新しい存在に向けられ、独占していた愛情を少しずつ他の存在と分け合わなければならなくなった猫の気持ちを描いた絵本です。
赤ちゃんが生まれ、お母さんの愛情が新しい命に向けられると、今までその愛を一人占めしていた猫が、少し切ない気持ちを抱えてお母さんを見つめるシーンが描かれています。
この猫の気持ちは、赤ちゃんを迎えたばかりのお母さんが感じる不安や、先に生まれた子どもが抱えるさびしさを象徴しています。まるで、妹や弟が生まれたことで自分がちょっと疎外感を感じてしまうお兄ちゃんやお姉ちゃんの心情そのものです。そんな子どもたちに、この絵本はとても大切なメッセージを送ってくれると思います。
また、赤ちゃんにばかりかまってしまいがちなお母さんにも、この絵本は心に響く内容だと思います。
赤ちゃんばかりに気を取られているお母さんが、少し立ち止まってお兄ちゃんやお姉ちゃんの気持ちにも目を向けるきっかけになるかもしれません。
『ねぇだっこして』は、小さな子どもたちが感じる「愛されていないかもしれない」という不安を和らげる本だと思います。