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日本が降伏した昭和20年8月15日から翌月9月2日、日本と連合国との間で交わされた休戦協定の調印式が行われるまでを範囲とした小説。日本にとっては大変深刻な時期にあたっているが、この小説は十七・八歳の明るく聡明な女子の日記の体になっているので、そう深刻なものではない。
長編小説だが、久生のほかの二つの長編小説、「あなたも私も」「キャラコさん」の主人公も明るく聡明な年若い女性で、またいずれもその名前が「サトコ」であることも共通している。




















