和田秀樹氏の『老害の壁』を拝読し、高齢化が進む現代社会において、誰もが直面しうる課題について深く考えさせられました。
本書は、年齢を重ねることで生じる認識のずれや、変化への抵抗といった「老害」とも言える現象を、具体的な事例を交えながら鋭く指摘しています。
特に印象的だったのは、自身の経験や価値観に固執するあまり、若い世代の意見や新しい流れを否定してしまう構造です。
それは、組織の停滞を招くだけでなく、世代間の分断を生み出す要因にもなり得ると感じました。
しかし、本書は単に警鐘を鳴らすだけでなく、老いることへの新たな視点も提示しています。
年齢を重ねることは、経験という貴重な財産を蓄積することでもあります。
大切なのは、その経験を活かしつつ、常に新しい知識や価値観を受け入れる柔軟性を持つことだと気づかされました。
『老害の壁』は、高齢者だけでなく、すべての世代にとって、より良い共存関係を築くための重要な示唆を与えてくれる一冊です。
自身の言動を振り返り、謙虚な姿勢で他者と向き合うことの大切さを改めて認識いたしました。